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第170回 ─ おはようからおやすみまで、あなたを見つめるバート・バカラック

いまから聴くなら……このバカラッ9

連載
360°
公開
2009/03/26   17:00
更新
2009/03/26   18:16
ソース
『bounce』 308号(2009/3/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

『Always Something There: Burt Bacharach Collectors Anthology 1952-1969』 Ace 
BBのライティング/プロデュース仕事が満載された英エイス編纂のコンピ。デル・シャノン、ブルック・ベントン、ベンE・キングらの有名曲からマニア向けのレア曲まで、素晴らしき流れ作業の記録が楽しめます。

BURT BACHARACH 『Hit Maker!』 Kapp(1965)
店頭在庫のみですが……裏方として頂点に立った後にリリースした初のリーダー作。“Don't Go Breaking My Heart”“24 Hours From Tulsa”などの提供曲をイージーリスニング的な手触りで小気味良くセルフ・カヴァーしています。

『Butch Cassidy And The Sundance Kid』 A&M(1969)
アカデミー賞とグラミーを総ナメした映画「明日に向って撃て!」のサントラ。別掲の“Raindrops Keep Fallin' On My Head”以上に、スキャットの美しい“South American Getaway”を筆頭とするインストがいずれも強力なのです。最高傑作!?

BURT BACHARACH 『Futures』 A&M(1977)
店頭在庫のみですが……相棒のハル・デヴィッドと別れ、複数の作詞家を迎えたA&Mでの5作目。デヴィッド・サンボーンやリチャード・ティーらフュージョン系の要人を従えて、心機一転の気運を反映したコンテンポラリーな良作に仕上げています。

『Burt Bacharach -One Amazing Night』 Encoded(1998)
BBの70歳を祝うTV番組の音源で、トリビュート・ライヴ盤として聴ける一枚。シェリル・クロウやベン・フォールズ、オール・セインツらの熱演を横目に、悠々とメドレーを聴かせるディオンヌは別格です。結びは御大自身の“Alfie”でしっとり。

RONALD ISLEY & BURT BACHARACH 『Isley Meets Bacharach』 Dreamworks(2003)
意外な顔合わせですが、アイズレーがファンク化する前の志向を思えば納得のコンビでしょう。全曲をBBがプロデュースし、往年の名曲群に秘められた官能性をロナルドの歌唱が露わにしていく感じ。子供にはムリ!

BURT BACHARACH 『At This Time』 Sony BMG UK(2005)
左の『Futures』以来となるオリジナル・アルバム。ボツになったドクター・ドレーとのコラボで残されたループの再利用という試みもさることながら、初めて作詞も手掛けてブッシュ政権への異議を表明するなど、懐古とは無縁の熱を放つ力作です!

BURT BACHARACH 『Live At The Sydney Opera House』 Verve(2008)
日本とUK限定で出された71年の『Live In Japan』を除けば初のライヴ盤。グレイテスト・ヒッツ的な選曲をシドニー交響楽団のフル・オーケストラと披露する豪華さはもちろん、BB自身のヴォーカルが多めに聴ける点にも注目です。

TRAINCHA 『Who'll Speak For Love』 Blue Note(2007)
昨年のBB来日公演にも帯同していたイタリアのジャズ・シンガーによる2枚目のBB曲集。よくあるカヴァー盤っぽいですが、前作『Look Of Love』に続いて御大自身がピアノを弾き、しかも今回は表題曲を書き下ろし! 大したご執心ぶりです。