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第86回 ─ ロードランナー

ディスクガイド その1

連載
Discographic  
公開
2008/10/16   23:00
ソース
『bounce』 303号(2008/9/25)
テキスト
文/粟野 竜二、宮原 亜矢、山口 コージー

KINGDOM DIAMOND 『Abigail』(1987)
間違いなく初期ロードランナーの稼ぎ頭だったマーシフル・フェイトの解散後、その中心人物が立ち上げたプロジェクトこそキング・ダイアモンドである。不気味さと美しさを武器にレーベルのUS進出を成功に導いたこのファースト・アルバムは、後世に語り継ぎたい歴史的名盤だ。
(山口)


BIOHAZARD 『Urban Discipline』(1992)
NYハードコアの代表選手にして、レーベルの特色のひとつ=ミクスチャー・ロック・サウンドの先駆者である彼らが放った2作目。スラッシュ・メタルに通じる硬質なエッジとヒップホップ譲りのグルーヴ感を併せ持ったサウンドは、ストリートで絶大な支持を得た。
(粟野)

SEPULTURA 『Chaos A.D.』(1993)
ブラジルから世界に飛び出した彼らの出世作で、次作『Roots』で全面開花する各種民族音楽を採り入れたトライバル・ヘヴィー・ロックの萌芽が感じられる一枚。ちなみにレーベル初の全米TOP40入りを果たすなど、バンド/レーベル双方の歴史を語るうえで欠かせない重要盤でもある。
(粟野)

SOULFLY 『Soulfly』(1998)
実弟イゴールとの決裂(現在は仲直りしてロードランナーよりユニット作を発表)でセパルトゥラを抜けたマックス・カヴァレラが立ち上げたバンドの初作。フィア・ファクトリーやデフトーンズらをゲストに迎えて、ヒップホップやアフリカ音楽をミックスし、ヘヴィー・ロックを革新させた不滅の名盤だ!
(宮原)


THE MISFITS 『Famous Monsters』(1999)
数々の伝説を持つホラー・パンクの帝王も、復帰2作目からロードランナー入り! グレン・ダンジグ在籍時ほどの衝撃はないが、ドロドロとしたサウンドを飽きもせずに鳴らしているあたりは流石だ。彼らをフックアップするなんて、やっぱこのレーベルは目の付けどころが違うね!
(山口)

STONE SOUR 『Stone Sour』(2000)
スリップノットのコリー・テイラーが率いるもうひとつのバンドが放った初作。叫び倒す本家とは一味違うメロディアスな作りが実に心地良く、要所で聴ける壮大なバラードなんてマスクを外してこそ歌えるものなのだろう。バックを固める大陸的なハード・ロック・サウンドもベタで最高!
(山口)

NICKELBACK 『Silver Side Up』(2001)
ヴァン・ヘイレンを越えるUSの国民的バンドをロードランナーが輩出するなんて、誰が予想しただろうか?全世界で1200万枚を超えるセールスを記録し、本国のみならず世界の頂点に立つアーティストへと変貌を遂げたニッケルバックの出世作! レーベル初の(!?)正統派ロック・アルバムだ!
(山口)

KILLSWITCH ENGAGE 『Alive Or Just Breathing』(2002)
メタルコアの代表格であり、現在のレーベルをリードする存在。本作はカリスマ的人気を誇るヴォーカリスト、ジェシー・リーチ在籍時の最後のアルバムで、後続のバンドに絶大な影響を与え、〈2000年代メタル〉の流れを決定付けた一枚だ。
(粟野)

JUNKIE XL 『Radio JXL -Broadcast From The Computer Hell Cabin』(2003)
別名義でのシングルが世界24か国でNo.1ヒットを記録したクリエイターが、ロードランナーと契約したのは衝撃だった。〈午後と早朝を演出する架空のラジオ番組〉なるテーマを掲げた本作は、ダンス・ミュージックとポップスの旨味を堪能できる一枚だ!
(宮原)