フェス全体のもろもろ
桑原 まず、フェス全体の感想から始めましょうか。〈ライジング〉初参加組がふたりおりますが……。
土田 楽しかった。ほんっっとに楽しかった。
桑原 ほかのフェスとここが違うなあって思ったところは?
土田 例えば〈EARTH TENT〉だったら星型とか円盤型の装飾があったりとか、〈GREEN OASIS〉のあたりは草木で組まれたドームがあったりとか、そのエリアごとのテーマに沿ったセットが凄い可愛いと思いましたね。あと、テント・エリアのネーミングが〈オジロワシ〉とか〈ユキウサギ〉とかで地元色が出ていたし。物凄く凝ってるんだけど、手作り感というか、なんかあったかい感じがして良かったです。あと、通路も広くとってあるんで、渋滞がほとんどなかったですね。私が引っかかったのは、1回だけ。椎名林檎が始まる直前の時だけです。
K10 ああ、〈RED STAR FIELD〉から〈SUN STAGE〉へ抜ける道ですよね?
土田 そう、あそこだけ。でも、渋滞はホントに椎名林檎の直前だけです。そのほかは快適でした。
桑原 僕も楽しかったですね。あと、感動的な瞬間が多くあったなっていう。
K10 マジカルな瞬間が。
桑原 うん。やっぱり、みんなで朝日が出るのを待って、そこで一体化していくっていうのは〈フジロック〉でもないものだし。なんか、学生時代の文化祭に参加しているような感覚になりましたね。
K10 朝日も凄くきれいでしたねえ。
桑原 ねえ? 東京スカパラダイスオーケストラの谷中さんも、「今年の朝日は一番キレイだ」みたいなことを言ってたと思うんだけど。
K10 「超セクシーな夜明け」って（笑）。
桑原 ああいう感動がいろんなところで味わえたなあって感じがしますね。僕、北海道自体が初体験だったんで、気候の面でも〈空気がキレイ〉だとか、そういったところでの感動がありますね。
土田 今回は3回目の参加となったK10さんはいかがでした?
K10 僕は1999年と2006年に参加したんですが、ステージがひとつだった99年と比べて、ついにこのレヴェルまで来たんだって思いましたね。アーティストのライヴの良さしかり、導線の考え方とか、トイレも快適でしたし、あとスタッフのホスピタリティーがすごく高いレヴェルにあるなあって。
土田 それは私も思った。嫌な思いをひとつもしなかったですよね。
K10 しなかったですねえ。
土田 ステージ間の移動にしても、一番離れている〈BOHEMIAN GARDEN〉と〈EARTH TENT〉の間でも思ったほど時間がかからなかったし。スムーズに移動できるぶん、いろんなステージが観られましたよね。あと、「テントがステージの近くに張れるんですよ」って聞いてはいたんだけど、実際行ってみたらホントに近くて。確かにテント・エリアにいてもライヴの音がしっかり聴こえるし、すごく音楽と近い感じがしましたね。
桑原 ちなみに、〈どのステージが好き〉とかあります?
K10 〈BOHEMIAN GARDEN〉が良かったですね。森に囲まれてて。
土田 オーガンジーっぽい白い布と、流木風のでっかい木材でボヘミアン風のセットになっていて。
K10 チバユウスケさんも〈BOHEMIAN GARDEN〉が凄い気に入ったみたいですね。The Birthdayも〈BOHEMIAN〉で演りたいってことで、1時間半、実際に演ってたりしてますからね。アーティストも気に入るんだなあっていう。
土田 私は〈EARTH TENT〉ですかね。ずっと入り浸ってたからかもしれないですけど。
K10 僕は、〈EARTH TENT〉っていうと夜が暖かいっていう印象ですね（笑）。
土田 そういう理由ではないんですが（笑）。でも、夜の寒さは予想以上に凄かったですね。
K10 僕も、あそこまで寒いとは思ってなかったです。14℃ぐらいだったみたいですよ。
土田 もう、手の感覚がなくなったりしてましたもん（笑）。サニーデイ・サービスの時間帯が冷え込みのピークじゃないですか。かといって、サニーデイって別に踊ったりしないから、寒くって。だから最後のスカパラは、踊れるアクトで良かったなあって。
K10 お客さんで、明け方でも普通にTシャツ・短パンの人もいましたけどね。
土田 上半身裸の人もね。
K10 普通だよ、って感じでね。これが道産子なのか、って思いましたね（笑）。
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