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第2回 ─ 〈フジロック予習編〉当日はこう動く!? 編集部の観覧シミュレーション座談会

座談会で取り上げたアーティストの作品を紹介! 7月25日(金)出演組

連載
オレら の 夏 フェス 予習・復習帳 '08
公開
2008/07/17   18:00
更新
2008/07/23   19:02
テキスト
文/宮崎 淳子、冨田 明宏、相原 紘子、ヤス2B、YAHMAN、田中 将稔、山西 絵美、渡辺 雄作

#1 環ROY×Eccy
『more?』
SLYE(2008)

fragmentと合体した近作でまた引き出しを増やしたダメレコの環ROYが、昨年一気にその名を轟かせたビートメイカーのEccyとタッグを組んだミニ・アルバムを発表。不穏な美しさに彩られた“Hunter”、陽だまりを連想させる“散歩と太陽と音楽”、神々しくメロウな“最終日”……どんなビートでも棘と青さを貫く嘘のないラップと、多彩なループの融合ぶりが聴き逃せません! これまでのSLYE作品同様に全曲のインスト入り。(宮崎淳子/bounce 2008年07月号掲載)

#2 MIDNIGHT JUGGERNAUTS
『Dystopia』
EMI(2008)

〈スペース・ロック〉という触れ込みで本デビュー作を聴いてみたが、スピリチュアライズドやホークウィンドのように身体が宇宙に投げ出されるようなサイケ・ロックというわけではなく、ダンス・ミュージックにELOやパーラメント的なファンタジーが加味されたロック──といった印象。デジタリズムやジャスティスらが支持していることからもわかるように、昨今のダンス・ロック・ブームが生み落とした異端児でもある。(冨田明宏/bounce 2008年05月号掲載)

#3 RODRIGO Y GABRIELA
『Rodrigo Y Gabriela』
ATO/ソニー(2007)

メキシコ出身の超強力アコースティック・ギター・デュオ! フラメンコ~ジャズ~ハード・ロックを通過した超絶テクと、攻め攻め攻めの姿勢でとにかく痛快に猛烈に弾きまくる。息を呑む早弾きの連発に加え、打楽器としても機能する常識を越えた2人のプレイは、聴こえないはずのカホンや激しいステップやバスドラなどを彷彿とさせるリズムの塊そのもの! 本作は何とライヴ映像を収めたDVD付き! 言わずもがな必見!!(相原紘子/bounce 2007年08月号掲載)

#4 JAMIE LIDELL
『Jim』
WARP/BEAT(2008)

90年代中期からサウンド・アート集団のノー・フューチャー一派に属し、ボスのクリスチャン・ヴォーゲルと共に結成したスーパーコライダーやソロ名義の楽曲で、実験的なミニマル・テクノを追求してきたジェイミー・リデル。それが、前作『Multiply』(2005年)から自身のヴォーカルに焦点を当てるようになり、テクノの手法に基づきつつも並外れた歌唱力を反映させた、エレクトロニック・ソウルの確立に成功したのです。待ちに待った今作も共同プロデュースに奇才・モッキーを迎えながら前作の路線を継続し、生音を多用してソウル/ファンク色をより濃くしています。音の感覚はホワイト・ソウルなのですが、内に秘めたブラックネスの爆発力は凄まじい。いや、こりゃマジでホントに素晴らしい作品ですぞっ!!(ヤス2B/bounce 2008年05月号掲載)

#5 LITTLE TEMPO
『山と海』
P-VINE(2008)

結成15周年を迎えたLITTLE TEMPOが自主レーベルを設立して新作を発表。レゲエ/ダブをベースに、スティールパンが歌の如く響くお馴染みのスタイルで、今回は〈花鳥風月〉を見事に表現しています。彼らは旅の案内人(もしくは楽しい同行者)として時には日本の山や海に、時にはトリニダードのカーニヴァルにリスナーを連れて行ってくれ、さらに“Over The Rainbow”のカヴァーでは美しい虹まで見せてくれるのです。(YAHMAN/bounce 2008年05月号掲載)

#6 瀧見憲司
『the DJ at the GATES of DAWN II』
rhythm zone(2008)

クルーエルの総帥であり、マッドでプログレッシヴなDJをさせたら日本随一の男が世に放つミックスCD第2弾。1曲目がシャルロット・ゲンスブールという驚愕のスタートに違わず、DJ Quietstormやマウンテン・オブ・ワン、エリック・プライズのピンク・フロイド使い曲など、ワン&オンリーなセレクトから導き出されるアナザー・ディメンション! アンダーグラウンド・シーンのターニング・ポイントとなる問題作ですよ!(田中将稔/bounce 2007年07月号掲載)

#7 GOSSIP
『Live In Liverpool』
Columbia/ソニー(2007)

コロムビアの要職に就任したリック・ルービンが一発目に契約したアーティストこそ、豊満な肉体と歌声でシーンを席巻中のベス・ディットー率いる3人組だ。しかもメジャー進出作にしてライヴ盤という異例っぷり。オリジナルのガレージ曲も荒々しさ倍増でホットな出来だけど、白眉はタイトな演奏で聴かせるアリーヤ“Are You That Somebody?”のカヴァーでしょ! 腹の底から湧き上がる極太ヴォイスにビリビリしちゃった!!(山西絵美/bounce 2008年01月号掲載)

#8 OZOMATLI
『Don't Mess With The Dragon』
Concord(2008)

イーストLAを代表するラテン・ミクスチャー・ユニット、オゾマトリ。ラテン音楽にロックやラップをゴッタ煮にして、ポリティカルな歌詞を乗せるお馴染みのスタイルはもちろん継続されているが、このニュー・アルバムではクンビアやソカ、ニューオーリンズ・ファンクといったゴキゲンなリズムが耳を引く。冒頭の“Can't Stop”をはじめ、重圧のある音で形成されたグルーヴのブットさに腰が砕けそう!(渡辺雄作/bounce 2007年04月号掲載)

#24 電気グルーヴ
『J-POP』
キューン(2008)

お久しブリーフ! 片や川辺ヒロシとのInK、片や映画やヴァラエティー番組への進出と、スチャダラパーとのタッグを除けば本体での活動をほぼ休んでいた彼らが、約8年ぶりのアルバムをリリース。篠原ともえがコーラス参加したニューウェイヴ調の“少年ヤング”とブリーピー・エレクトロなヴァージョンの“モノノケダンス”といったシングル曲のほか、ヒダカトオル(BEAT CRUSADERS)や笹沼位吉(SLY MONGOOSE)、七尾旅人ら馴染み深いメンツも参加し、前作のディスコ路線からよりミニマルな方向へと進んでいる。そのためかお笑い度は低めで、時代性を感じさせる詞も多い。タイトルを含めてアルバム全体から、〈消費されゆく音楽=J-Pop〉へのアイロニカルな回答と取れるものも感じられます! スバラシイ。(田中将稔/bounce 2008年04月号掲載)