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第23回 ─ LOVERS ROCK

第23回 ─ LOVERS ROCK(3)

連載
Di(s)ctionary
公開
2008/02/14   18:00
ソース
『bounce』 295号(2008/1/25)
テキスト
文/米光 達郎

II それでは、実際に聴いてみよう その2

VARIOUS ARTISTS 『The Lovers Rock Story』 Kickin
ラヴァーズはシングル単位のリリースが多いからコンピも重要だ。この編集盤はブラウン・シュガーやカサンドラ、TT・ロスら伝説のシンガーたちが総登場。プチプチと針の音が聞こえるけど、そんなの関係ねえ!?くらい激レア音源満載なので、くれぐれも聴き逃さないように。


FREDDIE McGREGOR 『Big Ship』 Greensleeves(1982)
81年の“Lovers Rock J.A. Style”でジャマイカン・スタイルのラヴァーズ・ロックを見せた御大による本作はルーツ・ラディックスのタイトな演奏をバックに、軽やかに歌い上げるレゲエ史に残る重要作。ジャマイカ産らしくシンプルで大らかだけど、奥は相当深いのだ。

SUGAR MINOTT 『Good Thing Going』 Heartbeat(1981)
デニス・ブラウン同様、スタジオ・ワン出身の人気アーティスト。シンガーとしての活動と並行して〈ユース・プロモーション〉なる組織を運営し、若手育成にも力を注ぐ親分的存在だよ。そんな彼もラヴァーズが大好物。全英チャート1位に輝いたタイトル曲は絶品!

DENNIS BROWN 『The Complete A&M Years』 A&M
ジャマイカの国民的シンガー。名門レーベル、スタジオ・ワンからのデビュー以来、常にレゲエを牽引した彼も80年代以降はラヴァーズに傾倒したんだよ。本作は絶頂期だったA&M時代の楽曲集。“Love Has Found Its Way”はジャマイカン・ラヴァーズの最高傑作。

DAWN PENN 『No, No, No』 Big Beat/Atlantic(1994)
“You Don't Love Me(No No No)”の大ヒットを持つヴェテラン・シンガーのメジャー作品。全曲素晴らしいけど、僕は特にオーガスタス・パブロ&ジェイコブ・ミラーのカヴァー“Baby I Love You So”に撃沈。ルーツ・レゲエの名作がラヴァーズに大変身しているよ。

VARIOUS ARTISTS 『RELAXIN' WITH JAPANESE LOVERS JAPANESE LOVERS ROCK COLLECTIONS』 ソニー
世界のラヴァーズ・ロック愛好家を唸らせた〈RELA-XIN'〉シリーズの番外(?)和物編。岡崎友紀“ジャマイカン・アフェアー”をはじめ、Charaやスチャダラパーなど意外な人のラヴァーズ・ロックがめちゃ楽しいぞ。