III その後の流れと、現在の音楽シーンに見るラヴァーズ・ロックの影響力
80年代後半になるとダンスホール・レゲエが盛んになってラヴァーズ・ロックのブームは一段落するけど、実は日本で着々と根付いていたんだ。日本のクラブ・シーンではヤン富田や藤原ヒロシ(TINNIE PUNX)、屋敷豪太らが積極的に採り入れていて、ヤン富田がプロデュースを手掛けたいとうせいこう&TINNIE PUNXの“だいじょーぶ”なんて名曲も誕生しているよ。そして近年だとやっぱり中島美嘉嬢。昨年リリースの“永遠の詩”も素晴らしくて、もはや〈ジャパニーズ・ラヴァーズの女王〉の貫禄十分だね。もちろん、MOOMINやReggae Disco Rockersらジャパニーズ・レゲエ・アーティストの活躍も忘れてはいけないよ。
そして本場ジャマイカでもその精神は消えることなく、ココ・ティーやサンチェスらダンスホール系のシンガーにも受け継がれたんだ。2003年にはウェイン・ワンダーがメガヒット・リディム〈Diwali〉にメロウな歌を乗せた、21世紀型ラヴァーズ“No Letting Go”で全米No.1に。また聖地UKでは昨年〈ラヴァーズ・レゲエの貴公子〉と呼ばれるボビー・クレイも話題だったし、“Beautiful Girl”がUSで大ヒットしたショーン・キングストンにもラヴァーズの未来を感じるよ。世界各地のレゲエ・シーンに広がり、歌い継がれているラヴァーズ・ロックに、これからも注目してね!
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