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第14回 ─ BRITISH BEAT

第14回 ─ BRITISH BEAT(4)

連載
Di(s)ctionary
公開
2007/05/31   13:00
更新
2007/05/31   17:52
ソース
『bounce』 287号(2007/5/25)
テキスト
文/小松崎 健郎

III その後の流れと、現在のシーンにおけるブリティシュ・ビートの影響力

 まだ時間もあるので、その後のブリティッシュ・ビートの流れについて触れておこう。一般的にビート・グループのブームは67年、つまりビートルズが『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を発表したあたりで終演を迎えたと思われているようだが、しぶとく生き残ってサウンドを変化させることにより、その後のブリティッシュ・ロックを華麗に彩ったミュージシャン/バンドもいたわけだし、たとえば70年代初頭のグラム・ロックにしても、その敗残兵によって成し得られたムーヴメントであった。

 70年代中頃にはドクター・フィールグッドなどのパブ・ロック、それに続くパンクによってふたたびブリティッシュ・ビートは評価されることになる。後者だと代表格はジャム。アメリカでもチープ・トリックやナックがシーンを沸かせた。80年代になっても、その流れは加速。ストーン・ローゼズなんて、まさにそのまんまだったよね。

 90年代にはポール・ウェラーのロック回帰に伴う〈ネオ・ネオ・モッズ〉としてオアシスやブラーらが登場、最近でも〈ポスト・オアシス〉の呼び声高きアークティック・モンキーズやリバティーンズ周辺のバンドなど、ブリティッシュ・ビートの遺伝子はみんなにも馴染みの深いアーティストにも確実に受け継がれているということだ。とりあえず本日の講義はここまで。
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