ビッグバンド・スタイルで、めっぽう愉快なジャンプやジャイヴやブルースを聴かせるバンド、吾妻光良 & The Swinging Boppers。79年に活動を開始し、これまでに4枚の名作アルバムをリリースしてきた彼ら。たまに集合し、ライヴやレコーディングを行うというマイペースを貫いてきたのだが、近年、EGO-WRAPPIN'やカセットコンロスなど後進のバンドからのリスペクトがあったり、〈フジロック〉などのフェスやイヴェントに招聘されたりと、若いリスナーの目に触れる機会が増え、そのフレッシュで豊かな音楽性と溢れるエンターテイメント性に対しての評価が著しく高まっている。歌詞のおもしろさも彼らの音楽の魅力のひとつであり、フロントマンの吾妻が描く何気ない日常から生まれる可笑しい景色の数々も、また若者たちに支持されている。
そんな彼らが4年ぶりとなるニュー・アルバム『Seven & Bi-decade』をリリースすると聞き、ヤング・リスナー代表として編集部の新人スタッフが、彼らがベースとしているさまざまなジャンルの音楽の魅力を教えてもらおうと、吾妻のもとへと向かった。真夏の夜の特別講義(宴?)が開かれたのは、新宿三丁目の怪しい路地裏にある某居酒屋であった――。
楽しい音楽の魅力をいろいろと教えてくださいねァ
荒木「荒木と申します」
吾妻「吾妻と申します。普段はやっぱロミオロメンとか聴いてんの?」
荒木「〈レ〉です(笑)。新作を聴かせていただいて、率直な意見として、すごく楽に聴けるアルバムだな、と思いました」
吾妻「ありがとうございます。ま、枝豆でもどうぞ。今作が5枚目で、1枚目は83年に出しまして」
荒木「あ、私の生まれた年です!」
吾妻「ガ~ン! 話は以上!!」
荒木「まぁ、そう言わずに(笑)。どの歌詞もスッと入ってくるし、まったく小難しいところがなくて」
吾妻「〈IT〉のこととか歌ってるよ(笑)」