RUBEN BLADES 『Bohemio Y Poeta』
後に故郷のパナマで政党の党首にまで登り詰めたインテリの、初期の代表曲を集めたベスト盤。彼のテナー・ヴォイスこそサルサが持つ〈人間臭さ〉の極みか。ベストということで、彼の作曲家としての稀有な才能も堪能できる一枚。男も惚れる男とは、こんな男です。
(中野)
RAY BARRETTO 『Acid』(1967)
先日逝去した大巨匠。これは〈ハード・ハンズ〉という異名のとおり、ハードコアなブーガルー“Soul Drummers”“Acid”などのフロア・キラー満載で若い世代にも知られる名盤。ファニアのコンガ奏者といえば、やはりこの人。晩年のラテン・ジャズ作品も素晴らしい。
(中野)
ROBERTO ROENA 『Y Su Apollo Sounds』(1973)
コルティーホ~ファニア・オール・スターズのボンゴ&カウベル奏者(元はダンサーだった彼の最高にイカしたダンスはDVDでチェック!)が組んだ自身のバンドでの作品。“Ponte Duro”はファニア・オール・スターズの名演でも有名! 白熱のボンゴ・ソロを聴け!
(南條)
JOE BATAAN 『Riot!』(1968)
〈サルソウルのドン〉として知られる彼も、実はファニア出身! これはデビューから3作目で、あの甘~いハスキー・ヴォイスはすでに健在だが、サルソウル時代に比べてラテン色が濃いサウンドはファニアならでは。ソウル・ファンにはお馴染みの“Ordinary Guy”の別テイクも収録!
(南條)
ISMAEL MIRANDA 『Asi Se Compone Un Son』(1973)
15歳でラリー・ハーロウ楽団に入って以降、エクトル・ラボーと並びファニアの看板歌手を張り続け、〈美少年〉と呼ばれたイスマエル・ミランダ初のリーダー作。かっちりした演奏とハイトーン・ヴォイスは、プエルトリカンの生んだNYサルサの一つの頂点。
(中野)
LEBRON BROTHERS 『Salsa Y Control』(1970)
〈ラテン版ジャクソン5〉とも言われる、元祖ニューヨリカンのレブロン5兄弟による最大のヒット作。ドゥワップやリズム&ブルースの影響が随所に見られる本作は、まさにサイケデリック・ラテン。エコーの具合が時代の空気をビンビンに感じさせる。
(中野)
HECTOR LAVOE 『Comedia』(1978)
不世出の天才ヴォーカリストにして〈もっとも愛された男〉の、NYサルサを極めた奇跡の一枚。甥であるルイ・ヴェガのネタ使いで有名な“Tiempos Pasados”や、不朽の名曲“El Cantante”などでの洗練を尽くしたアレンジが美しい。前作『De Ti Depende』と共に、外せない金字塔。
(中野)