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第53回 ─ ファニア

ラテンの誇りと情熱を刻み込んだ名作群 その1

連載
Discographic  
公開
2006/06/29   00:00
更新
2006/06/29   22:32
ソース
『bounce』 277号(2006/6/25)
テキスト
文/中野 タイジ、南條 レオ

JOE CUBA 『Bang! Bang! Push, Push, Push』(1966)
定番ソング“El Pito”の作曲者としても有名な彼の、超ゴキゲンなブーガルー・アルバム! 頻繁に登場するハンド・クラップや、暑苦しいホーンの代わりに使われているヴィブラフォンが最高に心地良い。有名曲“Bang Bang”で、さぁみんなもいっしょにピピッ! アァ~!
(南條)

FANIA ALL STARS 『Live At Cheetah Vol.1』(1971)
サルサという音楽が爆発する瞬間を捉えた歴史的ドキュメント。サルサの代名詞、ファニア・オール・スターズはここから始まった! この熱気、この昂揚感。すべてのライヴ盤の頂点に君臨する一枚。ちなみにDVD「Our Latin Thing」はこのライヴの映画版!
(中野)

WILLIE COLON & RUBEN BLADES 『Siembra』(1978)
偉大な2人のスターによる大・大名盤にして、サルサ史上最大のヒット作。〈Siembra=種蒔き〉というタイトルどおり、後のミュージシャンに与えた影響も計り知れない、すべてが名曲というとんでもないアルバム。サルサという枠だけで語るのはもったいない。
(中野)

PETE RODRIGUEZ 『I Like It Like That』(1966)
アレグレ(後にファニアに買収された)を代表するピアニストの一人である彼が残した傑作ブーガルー・アルバム。タイトル曲以外すべてスペイン語だったりすることや、哀愁を帯びたコード進行あたりに、まさに誕生寸前のサルサの色が見え隠れしている一枚!
(南條)

EDDIE PALMIERI 『Vamonos Pa'l Monte』(1971)
昨年は来日公演も行った、いまも活躍中のラテン・ピアノの第一人者の名作。ラテン好きには超定番の“Re-volt/La Libertad Logico”のトゲのあるアレンジは彼ならでは。天才ピアニストでありながら、“Caminando”などでの絶妙なオルガンが〈奇才〉と言われる所以か?
(南條)

LARRY HARLOW 『Yo Soy Latino』(1982)
ブルックリン生まれのユダヤ人でありながらキューバに音楽留学していた経歴を持つ、ファニアきってのピアニスト/アレンジャー。フリー・ソウルの文脈でも語れそうな今作は、リカルド・マレーロあたりと並べて聴くとおもしろい。いま聴くべきサルサ。
(中野)

WILLIE COLON 『El Malo』(1967)
ラテン界きっての大スターである彼が、17歳にして完成させたデビュー作にして大傑作。トロンボーンという楽器の利点を活かした彼独自の重心の低いサウンドは、当時大流行していたブーガルー系の楽曲との相性も◎なだけに、ロック・ファンにこそ聴いてほしい!
(中野)

LOUIE RAMIREZ 『Ali Baba』(1972)
〈ラテンの名盤〉と呼ばれるアルバムを選べばかなりの確率で顔を出す、マルチ・プレイヤー兼アレンジャーによる大傑作パーティー・アルバム。多くのカヴァーを生んだ“Cachita”、ブーガルー版〈ダンス天国〉の“I Dig Rhythm”以外にもずらりと名曲が並ぶ。捨て曲なしの大推薦盤。
(中野)