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第92回 ─ 〈ハイフィー〉は熱いうちに聴け!! 噂のムーヴメントを大解剖してみたよ!!

第92回 ─ 〈ハイフィー〉は熱いうちに聴け!! 噂のムーヴメントを大解剖してみたよ!!(5)

連載
360°
公開
2006/06/22   23:00
ソース
『bounce』 276号(2006/5/25)
テキスト
文/池田 貴洋、出嶌 孝次

R

RICK ROCK:
E-40の新作冒頭を飾る“Yay Area”でそのハイフィー世界の毒々しさを改めて証明したリック・ロック。彼とE-40の縁は96年作『Tha Hall Of Game』の“Record Haters”に始まっているから、もう10年の付き合いになるわけですが、その間にリックの存在感はグングン上昇していますね。ベイに留まっていたその個性は、ジェイ・Z“Change The Game”を手掛けることで全国区へ飛び出し、ダンスホール風のバスタ・ライムズ“Make It Clap”や、実はハイフィーだったイグジビット“Muthafucka”などの名曲が次々に生まれました。フェデレーションに続く秘蔵っ子=エルドラド・レッド作品での手捌きも含め、最近はよりコアに我流を押し進めているリック。その動きからは今後も目が離せませんな。
▼リック・ロックのプロデュース曲を含む作品。

S

SICK WID' IT:
イージー・Eが設立したルースレスに憧れ、従兄弟同士にあたるE-40とB・レジットが80年代末に設立したレーベル。2人にE-40の弟妹であるD・ショットとシュガ・Tを加えたクリックを第1弾アクトに、メジャー・シーンが西海岸に見向きもしなかった時代から、独立精神をキープして活動してきました。現在はE-40と末弟のマグジー(モッシー)が運営。ファミリーを軸にしながらコンスタントにカタログを厚くしています。

SAN QUINN 『The Rock : Pressure Makes Diamonds』 Deal Done/SMC(2006)

フィルモアに根城を構えるサン・クインの最新作。ハイフィーからウェッサイ系までメジャー志向の強いプロダクションを取り揃え、フッドスターズや舎弟のヤー・ボーイ、美声のマイク・マーシャルを従えながら、自身のラップ・スキルで骨太にまとめ上げている。もっと騒がれるべき大作!
(出嶌)

SMIGG DIRTEE 『God Made Dirt』 Money Hungry/ABA(2005)

別掲のブルーズ・ブラザーズでも活動しているスミッグ・ダーティーの初ソロ作は、エミネムっぽいフロウで凝ったビートの曲をタイトに聴かせるなかなかの一枚。ボーナス・ディスクでは、ターフ・トークやミスターFAB、クライド(ティーム)ら10人とマイクを回す地下ヒット“The Last Song”も聴ける!
(出嶌)