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第38回 ─ グループ・サウンズ

第38回 ─ グループ・サウンズ(3)

連載
Discographic  
公開
2004/12/16   13:00
更新
2004/12/16   17:19
ソース
『bounce』 260号(2004/11/25)
テキスト
文/醐樹 弦瑶

いま、続々とリイシューされる名盤たちをご紹介! その2

ザ・ジャガーズ 『ファースト・アルバム』 テイチク

  カーナビーツの対抗馬としてデビューした6人組の貴公子、ジャガーズ。GSが歌謡化に向かった時代を体現してしまったと思われるグループで、青春歌謡にガレージ感が挿入されたかのようなオリジナル曲での陰気なはじけっぷりは、ある意味当時の環境を等身大に表しております。曰く、〈GS界のグレイゾーン〉!(小山)

パープル・シャドウズ 『コンプリート・シングルス+ロマンティック・ギター・サウンド』 テイチク


  〈GSもここまできたか……〉を象徴させるグループの代表格。デビュー曲“小さなスナック”がハンパなく売れたのだが、サウンドの傾向としては、のちのムード歌謡に限りなく近い。案の定、彼らのシングル“別れても好きな人”は、ムード歌謡系グループ、ロス・インディオスとシルビアがリメイク。(久保田)

オックス 『オックス・コンプリート・コレクション』 ビクター

  タイガース、テンプターズに次いで圧倒的な人気を誇ったオックス。野口ヒデトと赤松愛の個性が激しく衝突。そのテンションそのままに狂乱に満ちたライヴでは、メンバーが次々と失神、つられてファンも気を失う〈失神バンド〉として社会問題になった。少女の夢をドリップしたロマンの雫は、いまもって濃厚。(正宗)

ズー・ニー・ヴー 『コロムビア音得盤シリーズII』 コロムビア GSというより、リズム&ブルース・グループといっていいほどビターなサウンドが魅力的な彼ら。“白いサンゴ礁”が代表曲だが、“ひとりの悲しみ”は、後に尾崎紀世彦の“また逢う日まで”として大ヒットした。バンド解散後、ヴォーカルの町田義人はソロとして活動。“戦士の休息”をはじめ、映画やTV主題歌の熱唱で話題に。(正宗)

ハプニングス・フォー 『トーキョー・ブーガルー』 東芝EMI(2003) ジャズ・コンボ出身、ギターレスという編成でボッサにブーガルー、クラシックまでのラウンジ・テイスト溢れる音楽性を聴かせた異色のGS。洒脱なグルーヴ感が肝ではあるが、それをそのままで終わらせないエグい唄とのドッキングが最大の魅力。2001年の再結成後は、渚ようこ、CKBらとの共演でもお馴染み!(小山)

デ・スーナーズ 『リズム&ブルース天国』 テイチク(1968) GSシーンにおける助っ人外人。メンバーは全員フィリピン人で、加山雄三の妹夫妻に見初められて来日した。レパートリーはリズム&ブルースやジミヘンなどカヴァーがほとんどだったが、そのフィーリングは圧巻で、彼らが専属バンドを務めていた茅ヶ崎のホテルには、一流GSのメンバーもたびたび訪れていたとか。(久保田)

ザ・ダイナマイツ 『コンプリート・コレクション』 ビクター(2002) 王子様多発のGS期に米軍基地やディスコ回りで叩き上げたストリート感を持っていた数少ないグループ。本質まんまに真っ黒な〈リズム&ブルース〉のカヴァー、やらされた感が逆に太いトグロをまいてしまったオリジナル曲もGS特有のペナペナ感皆無のワイルドさ。GS=ガレージ・ソウル! その形容が許される本格派。(小山)

ザ・ビーバーズ 『ビバ! ビーバーズ』 Pヴァイン ジ・アウトロウズからこのバンド名に改名した(させられた)彼らだが、そういうジレンマや何やらが渦巻いたGS史屈指のビバ!名作。いつでもピリッと舌を刺す石間秀樹のサイケなギターが最高。ヤードバーズ、ストーンズ・カヴァーのジャリジャリした感触がたまらん。かまやつひろし作のオリジナル曲もごきげんだ。(桑原)

ザ・リンド&リンダース 『ザ・リンド&リンダース MEETS ザ・ヤンガース~コンプリート・シングルズ』 テイチク リンダースは、R&B、ガレージ、サイケなど、多彩な音楽性を誇ったグループ。ヤンガースは、ソングライティングを手掛けていたメンバーがデビュー当時17歳。歌謡曲にはありえないコード展開をみせるなど、斬新な音楽性を聴かせた。セールス的にはBクラスだったが、音楽性は共にAクラス。(久保田)

ザ・モップス 『サイケデリック・イヤーズ』 ビクター 海外GSマニアの最人気グループ、モップス。鈴木ヒロミツの塩辛い歌声に星勝の卓越したギターワークが魅力的なバンドであった。真直ぐなまでのサイケ・ヴィジョンを提示したこのビクター期、ジェファーソン・エアプレインなどの本家カヴァーも良いが、黒く濁った阿久悠-×村井邦彦コンビによるオリジナル曲が素晴らしい。(桑原)