いま、続々とリイシューされる名盤たちをご紹介! その1
ブルー・コメッツ 『ブルー・コメッツ オリジナル・ヒット第1集+第2集』 コロムビア
66年7月、彼らが発表したシングル“青い瞳”のヒットが、GSブームの幕開けだった。ジャズ、カントリー&ウェスタン、ロカビリーといったバンド・キャリアによって培われた演奏力は、GS界No.1。エレピ、テナー・サックスを前面に出して洒落っ気たっぷりの演奏を聴かせていた、元祖・渋谷系。(久保田)
ザ・スパイダース 『アルバムNO.1+NO.2』 テイチク
ムッシュかまやつの先取りセンスもあって、欧米シーンともっともシンクロしていたといえるスパイダース。エンターテイナーとしての才に長けていたヴォーカリスト=堺正章&井上順、サウンドの中枢を担うキーボーディスト=大野克夫らを擁した彼らは、歌、サウンド、お笑い、すべてが超一級だった。(久保田)
ザ・サベージ 『コンプリート・コレクション』 テイチク
テンダーなハーモニーと流れるようなエレキ・ギターの響き。“いつまでもいつまでも”が大ヒットしたサベージは、カレッジ・バンドらしい都会的なポップ・センスが特徴。メンバーの寺尾聡は、80年代に入ってシティー・ポップ名盤『Reflections』を発表。変わらぬ洗練された歌声を聴かせてくれた。(正宗)
ザ・ワイルド・ワンズ 『ザ・ワイルド・ワンズ』 アルバム 東芝EMI(1967)
加山雄三のバック・バンド、ブルー・ジーンズを脱退した加瀬邦彦によって結成された、本邦初のフォーク・ロック・グループ。元祖・湘南サウンドとしてあまりにも有名な“想い出の渚”をはじめ、清涼感あるコーラスが魅力的。GSブーム全盛期には、若いメンバーを加入させてアイドル化も図った。(久保田)
ヴィレッジ・シンガーズ 『ゴールデン☆ベスト/ヴィレッジ・シンガーズ 亜麻色の髪の乙女』ソニー
筒美京平の初期作品“バラ色の雲”や、島谷ひとみがカヴァーした“亜麻色の髪の乙女”といったヒット曲群からして、歌謡テイストの強いグループと思われがちだが、もとはフォーク・グループ。デビュー曲“暗い砂浜”のイントロで聴ける12弦ギターは、まるでロジャー・マッギンのようだ。(久保田)
アウト・キャスト 『君も僕も友達になろう』 テイチク(1967)
芸能プロダクションによって作られたGS第1号。プロ/アマ問わず、東京中から一番巧い連中を集めたというだけあって、演奏の水準は高し。とはいえ、そんな純粋なプロダクションの野望も、直後にデビューしたタイガースをはじめとするアイドルたちの前に粉砕。アルバムでは、ガレージーなサウンドも聴かせる。(久保田)
ザ・タイガース 『ヒューマン・ルネッサンス』 ユニバーサル(1968)
橋本淳×すぎやまこういち、という強力な作曲チームに支えられてデビュー。〈GS界の貴公子〉としてシーンの頂点に立った彼らだが、ただのアイドルではなかった。本作ではコンセプト・アルバムに挑戦。オーケストラを大胆にフィーチャーして、壮大な物語を創出した。沢田研二のシアトリカルな歌声も素晴らしい。(正宗)
ザ・ランチャーズ 『OASY天国』 東芝EMI(1969)
加山雄三が撮影所の仲間たちに呼びかけて結成。デビュー作『フリー・アソシエイション』から、早くもビートルズの影響が見え隠れしていたが、本作はモロに〈サージェント・ペパーズ〉を意識したコンセプト・アルバムに仕上がった。GS独特のファンタジックな世界観を、ポップ&サイケに編み直した早すぎる名作。(正宗)
ザ・テンプターズ 『5-1=0』 テイチク(1969)
王子さまのように麗しいタイガースに比べて、どこか不良の匂いを漂わせていたのがテンプターズ。ローリング・ストーンズを愛した萩原健一の狂おしいシャウトと、松崎由治の無国籍ギターが青白い炎を燃やす。ガレージ・ロック的衝動も宿しながら、オーケストラ・アレンジも見事にハマッた本作は彼らの代表作。(正宗)
ザ・カーナビーツ 『ファースト・アルバム&モア』 テイチク
ゾンビーズのヒット曲を日本語カヴァーした“好きさ好きさ好きさ”で颯爽とデビューした彼ら。とは言っても、メンバーに鍵盤奏者はいません。ファズ・ギターを前面に出した、通称〈カーナビー・サウンド〉は、欧米のガレージ・ファンにも人気のアイテム。ドラムスのアイ高野は解散後、ゴールデン・カップスへ。(久保田)