SIXTH UKラウド・ロック・シーンのトリッキー・キッドが登場!!
若い役者も続々と出揃い、その地盤もいよいよ固まりつつあるUKラウド・ロック・シーン。そこにいきなり地盤沈下させんばかりの突然変異の衝撃が襲来! 2000年にロンドンで結成されて以来、その驚異的ライヴ・パフォーマンスですでに「KERRANG!」誌をはじめ現地メディアに大絶賛されているこの6人組、一言で表せばとにかく〈ヤバい〉のである。2枚のEPは瞬時にソールドアウト、2003年5月にドニントンで開催された巨大フェス〈ダウンロード・フェスティヴァル〉参加を経て、ついに発表されたこのデビュー・アルバム『The Trees Are Dead & Dried Out, Wait For Something Wild』。テクニカルというよりプログレッシヴですらある完璧なサウンドと、その構築美をブチ壊さんばかりにツイン・ヴォーカルの絶叫が噛みつきまくるという、〈知性と暴力〉が共存する変態さがビンビンに感じられる作品となっている。
システム・オブ・ア・ダウンやデリンジャー・エスケイプ・プランのようなカオス、初期コーンにも似た破綻ギリギリ一歩手前のエモーション、北欧デス/ブラック・メタルに通じる暴虐性、さらにはドリーム・シアターやキング・クリムゾンまで包括する複雑怪奇な展開、そこにキャッチーなメロディーを加えるというスタイルはもはやごった煮、〈ラウドの闇鍋〉という状態にまで到達している。しかし、これほど贅沢な〈食材〉を惜しげもなくブチ込んだサウンドであるにもかかわらず、それぞれの〈味〉が自己主張し過ぎることなく、驚くほどの調和を生んでいるのである。こんな〈料理〉がかつて存在しただろうか!? 仮にあったとしても、それを20代前半の若者たちが作り上げたという事実は間違いなく事件であり、今後のUKラウド・シーンに一石を投じる歴史的快挙と言ってもいい。震源地USから遠く離れたUKにて地下潜伏していた〈ラウド〉という種子は、このシクスによって今、爆発的萌芽を遂げた! 彼らの登場こそが新世紀ラウドの幕開けとなる!!(加賀龍一)