インタビュー

RUMIと同じ川を流れる音楽を勝手に選定

面影ラッキーホール
『あたしだけにかけて』
 キング(2009)
RUMIがファンであることを公言し、ライヴでの共演経験もあるのが、人の性のどうしようもない澱みを歌うこの18禁バンド。メジャー・デビュー(!)作となるこのシングルはTVアニメ「夏のあらし!」の主題歌で、ミドリの後藤まりこを配した春歌周到な好曲ですよ。

般若
『HANNYA』
 昭和レコード(2009)
昨年のUMB東京予選決勝、般若が下したのはかつての盟友RUMIでした。本作でも過去に言及した部分があるし、改めてヒップホップを意識した『Hell Me NATION』やBAKUの『THE 12 JAPS』が生まれたことはすべて繋がっているのか。さだめのように川は流れる。

三上寛
『ひらく夢などあるじゃなし』
 URC/ポニーキャニオン(1972) 
前作で“夢は夜ひらく”へのオマージュを披露していたRUMI。同曲で知られるのは藤圭子ともうひとり、この五所川原が生んだフォークの奇才です。常識の裏側をディープに抉る視点や(かつての)生々しい筆致には共通するところも。

VARIOUS ARTISTS
『STRICTLY DANCING MOOD Vol.1 -FUTURE RAGGA SESSIONS-』
 PART2STYLE(2008) 
RUB-A-DUB MARKETの面々が監修した未来派レゲエの興味深いコンピ。RUMIの新作に収められた“邪悪な太陽(THE HEAVYMANNERS REMIX)”のオリジナルはここに収録。その首謀者たるemuraは、同じく『Hell Me NATION』にて“迷子”をプロデュースしています。

鎮座DOPENESS
『100% RAP』
 W+K Lab/EMI Music Japan(2009) 
上掲の〈FUTURE RAGGA SESSIONS〉やSKYFISHのアルバムに参加するなど、RUMIと同じ作品に名を連ねる機会も多い彼。モンスター的なラップの実力や枠組をナチュラルに超えるポップ性にはお互い共振するものを感じるのですが。

DJ BAKU
『THE 12 JAPS』
 POPGROUP(2009) 
パートナーでもあるBAKUの、先述したMCアルバム。漢や般若、B.I.G. JOEら12名のMCを迎えた意欲作ながら、近年では別掲したARIAの“STAR CHILD”ぐらいしかないRUMIとのガチンコを希望していたファンも多いはず!?

中島みゆき
『愛していると云ってくれ』
 キャニオン/YAMAHA(1978) 
RUMIが心酔する世界観の持ち主。ヒットした“わかれうた”や、あの大曲“世情”を収めたアルバムとして知られていますが、“あほう鳥”や“おまえの家”などのヤバい逸曲も随所に。RUMIら多くの個性豊かなMCを輩出した昭和53年の名盤です。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年11月11日 18:00

ソース: 『bounce』 315号(2009/10/25)

文/出嶌 孝次

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