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インタビュー

The Orb(3)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年10月11日 23:00

ソース: 『bounce』 291号(2007/9/25)

文/佐藤 譲

夢はどこへ向かう?

 90年代初期の音楽的なアイデア──つまり70年代や80年代のソウルやファンク、レゲエにエレクトロニックな手法で新たな解釈を施したような本作。そんな作品に『The Dream』というタイトルを冠したのは実に興味深い。これは未来に向けてか、あるいはノスタルジーに捧げたタイトルなのか。

「おもしろい質問だね。夢というのは睡眠中に頭のなかにある事柄がDNAパーティクルを通じて出てくるものだと思う。〈夢は過去のもの〉ということだと、ノスタルジーへ向けてのタイトルということになるね。でも、英語には〈Dream On(夢でも見てろ)〉という言い回しもあって、それは未来に向けてのものでもあるんだ。僕らはファースト・アルバムで24トラックにテープを使うという、まるで古いダブ・レコードのようなものを作りたかった。で、今回またそういうテイストのレコードを作りたいと思ったんだけど、そこには以前にはなかった、新しいテクノロジーを加えている。つまりはそういうことさ」。

 奇しくも現在はレイヴ・リヴァイヴァルが盛んな季節。そんなタイミングでオリジナル・レイヴ世代から原点回帰的な作品が届けられるというのは実に興味深い。そんな彼にとって、90年代と2000年代のシーンの違いは何だろう。

「コンピューター、Eメールなどインタラクティヴな要素も変わってきた。最近は4つのメジャーなレコード会社が他のレーベルを吸収して、アンバランスな音楽シーンを作っている気がする。バンドを育てるやり方をせずに、すぐにビッグになるバンドを求めている。今後の音楽業界の見通しは暗いようだけど……きっとまたいつか復興するんじゃないかな。5年くらい経ったら、本当に良い音楽を聴きたいと思う若い子たちが出てくるかもしれない。例えばパンクのムーヴメントが出てきた時のような何かが、いま音楽シーンに必要とされていると思うんだ」。

 パンク以来の革命と言われたレイヴ・カルチャー。残念ながらレイヴは世界を変えることはできなかったけれど、その頃に培われたインディペンデントな精神は、ネットなどの新たなるネットワークを通じて若い世代の間でふたたび盛んになってきている。そんな時代に『The Dream』はどのように響くのだろう。色褪せぬクラシック? ふたたび訪れたアップリフティングな時代に対するオルタナティヴ? ちなみにアレックスによると、今作のタイトルはもともと〈The Future Academy Of Noise, Rhythm And Gardening Presents...The Dream〉だったという。自身の築いたアイデンティティーを再構築し、現代に突き刺す。甘やかなタイトルとは裏腹に、本作はオーブなりの未来へ対する果敢な挑戦状と言えるのかもしれない。

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