カスタマーズボイス一覧

ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー / YMO

時代に対する恐るべき超越性!音数が増え採譜にも優しい(?)リマスターのお陰で,洗練の語とは相容れないワイルドに暴れるシンセが35年の月日を忘れさせる。音楽性,意欲ノリの良さから一音毎の磨き込みに至るまでやはりカヴァー(セルフ含む!)には超えられない厚い壁も痛感した。あまりリマスターを重ねテープが傷んで失われる音もあろう。もっと“大きな”入れ物でも味わいたくなる。

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N.Uenoekiさんが書いたカスタマーズボイス

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(全32件)

感銘で魅力的な旋律集で疑い無く「買い」。ただ初出となる「ブレードランナー エンド・タイトルズ」はコーダをフェードアウトさせ,編集が雑なファイナル・カット版含め正規のリリースでは短縮が必ずあるなど,心底満足の行く物は無い。雑誌に載った機材リストによればアナログ24chマルチで録ってあるようなので,音質を激変させる再演奏・再収録よりはノーカット・ハイレゾリマスター化を期待する。

バロック様式を踏まえた演奏のように大小様々なアドリヴ風フレーズやオブリガートを混ぜ込み,冨田勲の同様音色や定位といったパラメータを殆ど独りで操る。音量・音域の幅広さに「パイプオルガンこそ楽器の世界のキング」とモーツァルトでなくても納得出来る。2人のSF映画監督の名前を拝したような名前に相応しく,巨大な装置でメッセージを発信したら星空の彼方からも地の底からも応答が寄せられた。そのような演奏と思う。

「モルダウ」冒頭ハープに付けられたハーモニクス(アーノンクールやノリントンさえ採用していなかった)が聴かれる数少ない録音。中傷や言い訳を重ねスメタナの創意工夫をまともに受け取らない演奏家が多いのだろうか。現在ならこれより綺麗な音で演奏する団体は沢山あると思われるが,当時最新のバルトシュ校訂版(1966年)を誠実に鳴らそうとしたベルグルンドの資質や感覚の確かさがほんの6小節にも,表れた感じがした。

敬愛と感謝をもってブーレーズを送る。楽譜が精密に音化された感が強く,何種類もあるシカゴ響の録音でも白眉と思う。ハイレゾマスターがあれば聴きたい。しかし配信では満たされない所有欲もあるものだ。「中国の不思議な役人/弦・打楽器とチェレスタのための音楽」と併せ,単色にも関わらず必要な材料を全て備えたようなジャケットデザインは持っていて気分が良い。

始めと終わりの"O fortuna"以外用の無い初心者段階から一歩踏み込んだ全ての人に薦める。小澤,ラトル,アイヒホルン,レヴァイン,プラッソン,デ・ブルゴス,プレヴィンなどの盤を聴いたが結局これに戻る。演奏団体の機動性に反比例して近年希薄になる一方な要素,映画音楽的性格の作品で映画音楽から遠い皮肉・イヤミ・様々なカラーの笑いが聴き取れる唯一の盤かも知れない。作曲者公認は伊達ではないのだ。

テクニックはあるし耳も悪くない。東洋人にありがちな平然と響きを濁しまくるバカテクの持ち主とは違う。認めよう。しかし一曲目からテンポの加減強調静音いずれも誤りと感じる場面だらけ。リスト作品など作曲者の聴衆を高揚・酩酊させるような演出が台無しにされたとさえ思えた。何故この人はこんなに人気なのか?楽譜通りに弾いていないところは面白い場面が多い…かな。もっと凄い物を追及して世に問うて欲しい。

美しい発音で"泣き"まで入る「きらきら星」は新鮮そのもの。ありがちなコンサート・アリア集に陥らない選曲もいい。声量も控えめに聴こえるのでウケが芳しく無さそうではあるが,逸材と思う。ペダル踏みっ放しのピアニストや柄の悪いヴィブラートに文句一つ言わず率先さえする我々東洋人に,正確な音程や声の素性の良さ美しさは判るのだろうか。疲弊するまで歌わせるのではなく大切に育てて欲しい。

 Op36,67は61年,Op.72bは62年録音。リマスターが優秀で楽器が軋みテープヒスは目立たず半世紀前を意識させる要素は少ない。滑りがちな速めのテンポ,鋭いスタッカートは古楽器団体の演奏に慣れた耳にも違和感無し。Op.36は古今の録音中(全部は知らないが)最も曲の面白さが判るし,Op.67のテンポの採り方,「運命動機」がザクザク言う辺りC.クライバーがVPO盤でパクッたとしても驚かない。

『スター・ウォーズ』はテンポも音色も画面を反射的に思わせるものでは無い。しかし目を瞑って『シスの復讐』のエンディングと並べて聴いてみれば18年の隔たりを誰も信じない筈。本家『スター・ウォーズ』劇伴チームもこのデッカ盤に追いつけ追い越せと意識しながら作り続けて来たのではないか。77年の公開直後にも関わらず米LEONARDシグネチャー・コレクション版(楽譜)と変わらないアレンジが出来ていた点も驚き。

 概ねベーレンライター版による。時にスラーが付くフレーズをノン・レガート処理するなど曖昧さを退けつつ,ラトルのようには楽譜上埋もれがちな音を強調し過ぎず,ピリオド楽器の演奏でありがちな凸凹や暴れも皆無。木管は倍編成では無いらしくベートーヴェン後期作品の旋律が埋まり易い弱点(それ故昔は金管楽器に旋律を宛がう編曲が常だった)も浮き彫りになった。多くの知恵を載せた盤ながら,国内では取扱中止ですと?

時代に対する恐るべき超越性!音数が増え採譜にも優しい(?)リマスターのお陰で,洗練の語とは相容れないワイルドに暴れるシンセが35年の月日を忘れさせる。音楽性,意欲ノリの良さから一音毎の磨き込みに至るまでやはりカヴァー(セルフ含む!)には超えられない厚い壁も痛感した。あまりリマスターを重ねテープが傷んで失われる音もあろう。もっと“大きな”入れ物でも味わいたくなる。

 才色知名度兼備の森麻季さん。のどをグッと絞った声/明る過ぎるくらいオープンな声がまとまりなく発声される欠点がはっきり収録され,日本人歌手特有のヴィブラートにも目新しさは感じられず音楽性も抜群に魅力的ではない。流し聴く分には良くても,声楽学生には勧めません。

レヴァイン/シカゴ盤のダイナミックさは好みながら装置の向上のためかツギハギ箇所が気になるようになった昨今,当盤は全曲極力埋もれてしまいそうな楽器・旋律まできちんと出そうとしたように聴こえ,「海王星」を最後まで聴いてみると何人で歌っているのか?という程女声合唱ピンボケ感が無く,それ故逆に他盤に無い響きの唸りが判ったりしても高解像度には違い無い。何故廃盤なのか!!

「2番」は冒頭から指が届く筈の和音でもアルペッジョに崩し空気感を選り択ってそそられる歴史的に重要な録音。尖鋭度は擬似ステレオに整音されていても時代を考えれば良い方!しかし演奏家達がエピゴーネンに陥っている間は新鮮な演奏は望めない。「2番」と「狂詩曲」に限ってより幅の広いクッキリした演奏を求めたい場合,当盤の後リヒテル+ヴィスウォツキ盤,コチシュ+ワールト盤の2つをお薦めします。

年末の身動き取れないマンネリ演奏に退屈した耳には相当面白く,賛否有っても一度は聴かれて欲しい「最速第九」も廃盤になって久しい。下手物・際物に見えて実はテキストを自筆スコアまで遡り,普及版のテンポについても検討し直される等かなり野心的・攻撃的なのにテラークで再録されず惜しまれる。和田則彦さんによるライナー(KKCC4090に添付)も面白かったが,指揮者自身による解説の紹介も望みます。

 大好きな演奏。オーケストラの出音は本当に完全無欠という感じで,映画音楽のように面白いレヴァイン指向を堪能出来るのは鮮明な録音によるところも大きい。
 しかし他の団体・指揮者による演奏も聴き重ねて来ると,なんとムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルのライヴ('65年)にテンポ展開がソックリに聴こえて来る。さてはレヴァイン師,予習で聴いてますな?

 レチタティーヴォを楽しくする工夫、オペラを良く知っていて非常に細かくテンポを切り替える指揮者をはじめ歌手も管弦楽もレヴェルの高い事をやっているようですが,ノリが軽過ぎソフト過ぎて刺激が欲しくなります。
 音質も問題アリでしょう。聴取困難とされる16kHz以上にノイズが重畳され,曇った抜けの悪い音。艶には定評が有る筈の管弦楽、クリスタルなステューダー×ロストの声も台無しになっていないかな?

 第3期で聴こえ始めた『もやしもん』のシタールが流用されたような曲には苦笑。『バックドラフト』似の『海猿』や『トゥルー・ロマンス』似の『シムソンズ』同様ハンス・ジマー調に聴こえたり、テーマ曲の弦はヴィヴァルディ調。Tr.11「夜明け前」が一瞬『羊たちの沈黙』になりトルコ軍楽「ジェッディン・デデン」を混入したTr.17「雑草魂」などパクりっぽさもありながらハマってしまうのは、やはり非凡なのですね。

 習慣性アリ。何度も同じフレーズが繰り返されるからか,ハマってしまいますね。純クラシック出身の作曲家には書けないような音楽と思われ,その志向が良くも悪くも音に反映されているらしく,ロックのような音圧重視の音作りの結果かピークオーヴァー的な歪みっぽい音になっていて,音量をある許容範囲より上げても下げても迫力減退。そこが大変もどかしい。LPレコードも出ているようですが,大丈夫?

 伯爵の権力攻撃に策略で抵抗するフィガロ。奥方もケルビーノもとっても良いけれど,ハグリー演じるスザンナは白眉。演奏は快活そのものだし合唱はハイレヴェルだし,こう楽しくなければモーツァルトがこの曲を書いたノリノリ感が伝わらない。
ガーディナーは声の良い人を連れて来てくれます。あまりに面白くて別テイクのCD[4398712]も買ってしまった!楽しさ重視ならこの演奏以外要らないかも。

 『コリオラン』はどの指揮者とも違う,こんなに激烈な曲だったのか!と思わせてくれる新時代のスタンダード。楽譜と照らし合わせてみれば違う箇所も在るけれど,周到に計画されている事が分かるし指摘されなければ分からないほど自然で効果的。是非一聴を。聴き込んでいる内に新しい発見もあるかも知れません。
 HD収録と思われるのですがBDは出ないだろうな…

 2つの第5交響曲は好き。しかしお目当ては『ルスランとリュドミラ』序曲。現在廃盤のVDC-1115が無い代わり「ステレオ・ライブ」LPを持っていて,聴き比べてみると当盤はモノラルだしテープ撚れや3kHz付近が削られた違和感ある音調など,愛しい演奏だからこそ欠点が際立って聴こえる。テープの経年劣化を承知はしても不可解さや残念さは堪え切れません。

 バリサクのマリガン,ヴォーカルのキャロウェイ,トランペットのセヴェリンゼンなど今では故人となった名手たちが集い,原曲の音をあちこち変えて演奏している某スウィング娘に不満を覚えるくらい(失礼!)とにかく楽しい!
 編成こそオーケストラ用に拡大しているものの,原曲に近いアドリブ好し,鮮明でノリを熱く捉えた録音好し(今ではテラークにもジャズ部門がある!)。
 でもいいのかなあ,こんなに安くなって。

 トラック10がバラエティ番組でよくきかれます!映画で使われた曲は全部収録され、「××編/○○版」でフォローする商売でないのが好感度大(苦笑)。音質にも拘り抜いて作られ、音楽、音響面での解説、大友監督のコメントも読み応えアリ。
 発売から14年経つのが惜しい。2002年には同アルバムのDVD-Audioヴァージョンが出ているくらいなので、そろそろCDもリマスター版が出て良さそうじゃありませんか?

アルゲリッチもシャイーもコンドラシンも素晴らしいのですが、ラフマニノフ(アルゲリッチの録音はこれが唯一では?)の方ではまとまりが欠けるように聴こえたり意識がすれ違っている箇所もあるようです。共演者によってこれほど当たり外れがあるものかという例。惜しいなあ。

 店頭デモで聴いた際、Chap.11-12のマタイ受難曲のアリアがマクリーシュ指揮ガブリエリ・プレイヤーズ盤(UCCA-1029)のデボラ・ヨークの歌唱そっくりに聴こえ、ただただ興醒めとなりました。
 管弦楽も好きな音ではありませんでしたし、好ましい持ち味とか新しさとかあまり聴こえなかったのでこの評価とします。

リマスターで音圧アップ!さらに派手になっています。

 track:05や13のトボケっぷりなんかサイコー!。ところどころリミッターが不自然に感じるのは年代を考えると仕方が無い?歌が複数あるのに歌詞対訳が無いのもちょっと惜しい。

↑7曲目の『ウィリアム・テル』序曲が抜けています!!ちゃんと収録されていますので是非聴いて頂きたい。
とっても良いです。気持ち良いテンポ,荒い音がちゃんと出るオリジナル楽器,楽譜はベートーヴェン交響曲の原典版を作ったジョナサン・デルマーが関与しているそうで,新しい音が幾つも聴こえて来るのも楽しめました。

既成盤より良くなった?と思える箇所もありますし、これからは『バイロイトの第九』と云えばこの盤を聴く機会も増えるでしょう。でも同じと思える部分も多いし、周波数特性を測ってみるとEMI盤と殆ど変わらずピークも同じ所に出る。どういうワケ?

主に録音向けの柔らかい歌い方ですが、現代的で良いです。日本で発売された事が無いらしい?もっと多くの人に聴いてほしいのに残念。

このCDは映画『アダムス・ファミリー』テーマ曲とは全く関係無く、似たようなメロディも見つかりません。ご注意下さい。

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