カスタマーズボイス一覧

ショスタコーヴィチ:交響曲第4番&第11番「1905年」 / アンドリス・ネルソンス、他

このコンビによる既出のショスタコーヴィチは、音質と演奏の素晴らしさで高い評価を受けていますが、今回も期待を裏切りません。ネルソンスの巨視的でありながら細部まで神経の行き届いた解釈と、ボストン響のどのパートもムラがなく充実した演奏が一体となって、ずっしりとした手応えを感じさせてくれます。録音もCDとしては最高レベルにあり、特に第4番第3楽章の終結部におけるデリケートなサウンドは聴きものです。

商品詳細へ戻る

セントラルパークさんが書いたカスタマーズボイス

(全95件)

ジュリーニがウィーン・フィルと録音したブルックナーの交響曲では、圧倒的に素晴らしいのが第9番だと思います。最初に手がけた第8番は少しテンポが遅すぎてオケが持てあましている部分があり、次の第7番はジュリーニとしては早めのテンポで熟成感が足りません。何回聴き直してもこの感想は変わらないので、私にとっての結論だと思っています。

ウィーンに乗り込んで大成功を収めてから10年以上が経ったバーンスタインの自信と確信に満ちた演奏です。ウィーン・フィルとの全集録音よりも燃焼度の高さが印象的で、録音状態も大変良好です。

ヴィシェフラド冒頭のハープの美しい響きから魅せられ、それはブラニークの結尾まで続きます。やはり1970年代後半の完成期にあったアナログ録音こそSACD化の恩恵を最も受けると改めて思いました。これまでベルグルンドはシベリウスばかり聴いてきましたが、作品に対する真摯で熱い姿勢は全く変わりませんね。

実は今年国内盤通常CDを購入し、がさつでどぎつい音にがっかりした経験があります。SACD化ということで少し迷いましたが入手しさっそく聴きました。音質は自然で柔らかく、かなりの改善が認められます。この演奏に通底しているのは作曲者と作品に対するリスペクトで、全員が一丸になって奉仕している姿勢が感動的です。

マケラの類い稀な才能がこの録音で遂に全開になりました。特に第4番はオケと完全に一体となった凄い演奏です。一見エピソードの羅列のように感じるこの作品が、こんなに有機的で圧倒的な迫力を持っていたとは!第5番の表層的でない彫りの深い表現、第6番第3楽章の鋭い疾走感も聴きものです。

画質は現在のハイビジョンに比べるとかなり落ちますので★3相当ですが、音質は優れていてベルグルンドの虚飾を排しながら共感に満ちた演奏が堪能できます。トータルで★4としました。

ブルーレイオーディオならではの高音質ですが、70年代以降の録音に比べると、ヒスノイズや音の美しさにおいて少し劣ります。演奏は声楽・オケとも大変意欲的で、粗野にならない範囲での熱演が楽しめます。

ウィーン・フィルとの第4番・第5番とはかなり印象が異なり、アグレッシブともいえる活気に満ちています。ただし雑な感じはなく、ガーディナーのメンデルスゾーンに寄せる熱い思いが伝わってきます。ロンドン響はプレヴィンの指揮でも瑞々しい演奏を楽しませてくれましたが、メンデルスゾーンとの相性は良好ですね。ブルーレイオーディオのアナログライクなサウンドで聴くと一段と魅力的です。

ブルーレイオーディオのアナログを思わせる自然でしなやかなサウンドで改めて聴くと、ウィーン・フィルの独特の美しさに加え、バーンスタインが力んでいるのではなく、ベートーヴェンの交響曲を演奏する充実感と喜びを謳歌していることが伝わってきます。

3回にわたってそれぞれ異なるオーケストラとシベリウス交響曲全集を録音したベルグルンドですが、全てに共通しているのは曖昧なところが微塵もなく、確信に満ちた力強い演奏を繰り広げています。どれをベストに選ぶかは意見が分かれると思いますが、私なら間然するところのない共感豊かなヘルシンキ・フィルを取ります。

マゼール2度目のカルメンで、1度目のようなアクの強さはなく、精緻で表情豊かな演奏になっています。タイトルロールのミゲネスは映画版で観ると妖艶さが目立ちますが、音声だけでも充分魅力的です。ライモンディのエスカミーリョにはもうひとつ華が欲しいところです。

舞台ではこの作品を振らなかったカラヤンが豪華キャストとともに録音に臨んだ大変美しく雄弁な演奏です。★をひとつ減らしたのはリッチャレッリにあり、第2幕の謎解きの場面など無理をして声を張り上げているようで、適役だったのか少し疑問に感じるからです。

これほど燃焼度とテンションが高いアバドは初めてといっても過言ではありません。それをがっちりと受け止めるベルリン・フィル渾身の演奏。長い静寂の後に爆発的な拍手と歓声に包まれますが当然かと思います。

1番と2番はもう少ししなやかで可憐な美しさが欲しいですが、3番以降は作品の持ち味と演奏がぴったり合い、ダイナミックでスケールの大きな快演になっています。特に4番は圧倒的な迫力です。

晩年に近づいたバーンスタインらしいゆっくりとしたテンポですが、全てが遅いわけではなく第6番の第3楽章などはスリリングなオケの名技も楽しめます。全体的にどっしりと構えた丹念な演奏からは、ショスタコーヴィチの置かれた複雑な状況に対する理解と共感が表れているようです。

24bit/96KHzでの収録でブルーレイオーデイオとしてはごく普通のフォーマットですが、CDに比べて音質の向上は目覚ましく、美しくダイナミックな演奏が堪能できます。他の方が指摘されているトラックの表示と再生される曲のズレは是正されています。

ブレンデルの大袈裟な表現を排した丹念で誠実な演奏はここでも健在です。シュミット=イッセルシュテットとアバドの指揮もブレンデルに寄り添い品格の高いバックを披露しています。録音は若干のヒスノイズはあるものの美しいピアノの響きを捉えています。

晩年のバーンスタインは極端に遅いテンポを取ることがあり、抵抗を感じるものもありますが、ここではそのようなことはなく、シカゴ響の圧倒的な力演と相俟って深い感動を与えてくれます。録音状態も大変良好です。

60年以上前の録音ですが大変瑞々しい音が楽しめます。聴き物はなんといってもニコライ・ゲッダの美しく格調の高い絶唱で、これを凌ぐナディールは想像できません。

改めてじっくりと聴いてみて、この録音がカラヤン~ベルリン・フィルが到達したベートーヴェンの結論だと感じました。好き嫌いはあるかと思いますが、オケの機能を極限まで高め圧倒的な迫力で迫ってきます。第8番のダイナミックな躍動感は他では体験できないですね。録音も極めて優秀です。

最も注目している若手ヴァイオリン奏者、辻󠄀彩奈が共演を重ねている阪田知樹とブラームスのヴァイオリン・ソナタ全集を録音しました。彼女のステージは室内楽、協奏曲を問わず音量・音色・音程が高度に一体となり、豊かな表現力を楽しませてくれますが、この録音も全く期待を裏切らないどころか、予想以上に完成度が高く大変感動しました。アンコールでよく披露するパラディスのシチリアーノが収められているのも嬉しいですね。

いつとも知れず、いずことも知れぬ場所のおとぎ話としてではなく、血の通った人間ドラマとして魔笛を捉えていて、そこに共感できれば最高の演奏と感じると思います。儀式的なシーンも人間賛歌になっています。ドリームキャストによる燃焼度の高い歌唱も素晴らしく、録音年代相応のヒスノイズはありますが、鑑賞には全く支障がありません。

初出時のCDに比べて遥かに音質がナチュラルになり、ショルティの円熟とシカゴ響の水際立った巧さが堪能できます。

レヴァインのオペラ指揮者としての類いまれな才能、ノーマンをはじめとする歌手陣の実力、作品の面白さ。どれをとっても申し分ありません。★をひとつ減らしたのは画質・音質とも現在のレベルから大きく隔たっており、不鮮明な映像と高域のざらつく音声は改善できなかったのだろうかという不満があるからです。

80年代のボストン響との録音に比べて、はるかに演奏の成熟度と燃焼度が高く、圧倒的な仕上がりです。録音も極めて鮮明なので、どちらか迷っている場合は、こちらをお勧めします。

録音時に80代後半だったとは思えない圧倒的な熱量でブラームスへの共感を歌い上げた感動的な演奏です。ロンドン響の指揮者への傾倒もひしひし伝わってきます。録音状態も良好で未聴の方にはぜひお勧めします。

特別なことをしないかわりに、変なこともしない。中庸という言葉がピッタリの演奏だと感じました。古典としてのベートーヴェンをウィーン・フィルで聴くというのが売り物ですね。

ハーリ・ヤーノシュ目当てに購入しましたが、初めて聴くコダーイの交響曲も含めて大変充実した密度の濃い演奏で楽しめました。ハンガリーといえばバルトークが隔絶して有名ですが、コダーイの晦渋さのない民族色豊かな作品はもっと知られて良いと思います。録音状態も良好です。

大好きな後宮ですがテンポが速すぎる演奏が多く残念に思っていました。このクリップス盤はゆったりめのテンポでこの作品の楽しさ・素晴らしさを満喫させてくれます。ウィーン・フィルの典雅なサウンドもこのような演奏でこそ最大限に活きてくると感じました。若干の暗騒音とゴーストがありますが鑑賞に支障はありません。

リマスタリングによる音質改善は顕著で、明晰にして前後左右の空間の広がりを充分に感じられます。クレンペラーのアプローチは、この作品の背後にある闇の世界を描き出すもので、祝典的な華やかさはありませんが含蓄に富んだ演奏だと思います。

デモーニッシュな面やドラマティックな要素をいたずらに誇張することなく、ドラマ・ジョコーソと銘打たれたこの作品の全体に明確なフォルムを与えた、素晴らしい演奏だと思います。歌手陣も粒ぞろいですし、60年以上前の録音ですが大変良好な音が楽しめます。

80代のモントゥーがいかに全盛期に負けない活力を持っていたか如実に伝わってきます。大袈裟な表現を一切せず正攻法に徹していますが、物足りなさはありません。リハーサルで若々しい声が聞けますが、フランスなまりの英語なのがご愛嬌ですね。★をひとつ減らしたのは第九だけ少し音質が劣るからです。

まず音質の改善が素晴らしく、明瞭なだけではなく空間の広がりが増しました。シュヴァルツコップとルートヴィヒの歌唱はチャーミングではないものの、格調の高いものだと思います。ベームの指揮は言うまでもなく万全です。

少し遅めのテンポでじっくりと最晩年のシューベルトならではの薄明の世界を描いていきます。豊かな共感に満ちていますが耽溺することはなく、品格の高い演奏に仕上がっています。

1980年代半ば以降のジュリーニはかなり遅いテンポを取ることが多かったですが、ここでは大変流れがスムーズで歌心に溢れた美しい演奏に仕上がっています。それにしてもウィーン・フィルの弦の魅力は筆舌に尽くしがたいものがあります。

ピアノ、オケとも音がきつくてざらつき気味で美感に欠けます。それと特に気になるのは9番のピアノの恣意的な表現で、バッハやベートーヴェンでは的確な様式感に基づく格調の高い演奏を聴かせてくれるヒューイットとは思えません。このコンビによる録音が途中で頓挫したのは評判が良くなかったからなのでしょう。

指揮、管弦楽、合唱、独唱の四拍子が揃った最高の演奏で、どこにも不満がないばかりか、今後これを凌ぐ演奏が現れるのだろうかとさえ思います。アナログ録音円熟期の明晰で美しい音も花を添えています。

初めて英雄を聴いたのがこの演奏でした。以来、約40年ぶりに戻ってきましたが、知・情・意のバランスに優れた素晴らしい演奏だと改めて思いました。録音当時すでにベルリン・フィルはフルトヴェングラーの呪縛から脱していてモダンで美しい響きが堪能できます。

声楽、オーケストラとも絶叫することなく薄明のような世界が繰り広げられています。これを達観の境地ととるか、弛緩しているととるかで評価は大きく変わると思います。現時点ではウィーン・フィルとのモノラル録音の方が優れていると感じます。

私が実演に接したピアニストで音の美しさが際立っていたのがグルダとルプーです。ここにはグルダの研ぎ澄まされたタッチによる美音が余すところなく収められています。アバドとウィーン・フィルによるきめ細やかな演奏も聴きものです。

ジュリーニの全盛期1976年に録音された名盤で、シカゴ響の圧倒的なアンサンブルと、ジュリーニの堅固な構成力・豊かな情感が一体となった素晴らしい演奏です。録音状態も良好で文句ありません。

新譜として発売された際に、凄みのある指揮だがオケが引きずられている、という評がありました。改めて聴いてみた感想は、オケが指揮者に心酔して全力投球しているというものでした。細部まで神経の通った素晴らしい演奏だと思います。

今後これを凌ぐ演奏が現れるのだろうかと思える出来です。緊張感を煽るのではなく緻密なアンサンブルを駆使して、多彩なニュアンスを紡いでいきます。

マゼールの個性が遺憾なく発揮された演奏です。特に天王星は出色の出来で、これを聴くと他の演奏が物足りなくなるほどです。

ロンドン響との英語版、ウィーン・フィルとのドイツ語版の2種類ありますが、この作品は英語の方がはるかに美しく響くと思います。

この録音の後、ウィーン・フィルと全集を完成させますが、残念ながら弛緩した演奏になってしまっているので、ジュリーニで2番を聴くならこれに尽きます。

ジュリーニの全盛は1970年代後半から80年代前半だったと認識している者としては、最後の輝きに近づいている時期の名盤だと思います。ずっしりとした手応えがあります。

演奏★★★★★で音質★です。最近は国内盤の音質も改善されて美しく厚みのある音が楽しめるようになりましたが、この盤は硬質でざらついた聴きずらい音でした。発売元は試聴しているのかといいたいですね。せっかくの名演が台無しです。

小澤のワーグナー?と感じる方にこそ聴いていただきたい名盤です。ベルリン・フィルの重厚でパワフルなサウンドと小澤のしなやかな感性が一体となった素晴らしい出来です。

熱狂ではなく沈鬱な雰囲気が漂う演奏です。そのように感じるのは遅めのテンポを基調にして興奮を煽り立てることがないのと、弔鐘のように響く鐘の音色にもありそうです。フランス的な色彩感とは対極にあります。

(全95件)