カスタマーズボイス一覧

ストラヴィンスキー: バレエ音楽「春の祭典」; ドビュッシー: 交響組曲「春」; ラフマニノフ: カ ンタータ「春」 Op.20 / ヴァシリー・ペトレンコ、他

ロイヤル・リヴァプール・フィルの全精力を傾けた熱演です。
ただし決して勢いに任せた爆演ではなく、ペトレンコの強力な
牽引力によるシャープなサウンドが印象的です。第二部後半は
特に素晴らしく、パワフルで鋭いリズムの刻みが圧巻です。

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セントラルパークさんが書いたカスタマーズボイス

(全61件)

1980年代半ば以降のジュリーニはかなり遅いテンポを取ることが多かったですが、ここでは大変流れがスムーズで歌心に溢れた美しい演奏に仕上がっています。それにしてもウィーン・フィルの弦の魅力は筆舌に尽くしがたいものがあります。

ピアノ、オケとも音がきつくてざらつき気味で美感に欠けます。それと特に気になるのは9番のピアノの恣意的な表現で、バッハやベートーヴェンでは的確な様式感に基づく格調の高い演奏を聴かせてくれるヒューイットとは思えません。このコンビによる録音が途中で頓挫したのは評判が良くなかったからなのでしょう。

指揮、管弦楽、合唱、独唱の四拍子が揃った最高の演奏で、どこにも不満がないばかりか、今後これを凌ぐ演奏が現れるのだろうかとさえ思います。アナログ録音円熟期の明晰で美しい音も花を添えています。

初めて英雄を聴いたのがこの演奏でした。以来、約40年ぶりに戻ってきましたが、知・情・意のバランスに優れた素晴らしい演奏だと改めて思いました。録音当時すでにベルリン・フィルはフルトヴェングラーの呪縛から脱していてモダンで美しい響きが堪能できます。

声楽、オーケストラとも絶叫することなく薄明のような世界が繰り広げられています。これを達観の境地ととるか、弛緩しているととるかで評価は大きく変わると思います。現時点ではウィーン・フィルとのモノラル録音の方が優れていると感じます。

私が実演に接したピアニストで音の美しさが際立っていたのがグルダとルプーです。ここにはグルダの研ぎ澄まされたタッチによる美音が余すところなく収められています。アバドとウィーン・フィルによるきめ細やかな演奏も聴きものです。

ジュリーニの全盛期1976年に録音された名盤で、シカゴ響の圧倒的なアンサンブルと、ジュリーニの堅固な構成力・豊かな情感が一体となった素晴らしい演奏です。録音状態も良好で文句ありません。

新譜として発売された際に、凄みのある指揮だがオケが引きずられている、という評がありました。改めて聴いてみた感想は、オケが指揮者に心酔して全力投球しているというものでした。細部まで神経の通った素晴らしい演奏だと思います。

今後これを凌ぐ演奏が現れるのだろうかと思える出来です。緊張感を煽るのではなく緻密なアンサンブルを駆使して、多彩なニュアンスを紡いでいきます。

マゼールの個性が遺憾なく発揮された演奏です。特に天王星は出色の出来で、これを聴くと他の演奏が物足りなくなるほどです。

ロンドン響との英語版、ウィーン・フィルとのドイツ語版の2種類ありますが、この作品は英語の方がはるかに美しく響くと思います。

この録音の後、ウィーン・フィルと全集を完成させますが、残念ながら弛緩した演奏になってしまっているので、ジュリーニで2番を聴くならこれに尽きます。

ジュリーニの全盛は1970年代後半から80年代前半だったと認識している者としては、最後の輝きに近づいている時期の名盤だと思います。ずっしりとした手応えがあります。

演奏★★★★★で音質★です。最近は国内盤の音質も改善されて美しく厚みのある音が楽しめるようになりましたが、この盤は硬質でざらついた聴きずらい音でした。発売元は試聴しているのかといいたいですね。せっかくの名演が台無しです。

小澤のワーグナー?と感じる方にこそ聴いていただきたい名盤です。ベルリン・フィルの重厚でパワフルなサウンドと小澤のしなやかな感性が一体となった素晴らしい出来です。

熱狂ではなく沈鬱な雰囲気が漂う演奏です。そのように感じるのは遅めのテンポを基調にして興奮を煽り立てることがないのと、弔鐘のように響く鐘の音色にもありそうです。フランス的な色彩感とは対極にあります。

最初期の国内盤は劣悪な音質で失望しましたが、
近年かなり改善されて盤質が安定していることも
あり積極的に購入しています。演奏はじっくりと
したテンポで重厚壮大な仕上がりです。

全体的には最近絶好調の下野竜也さんらしい質実剛健な演奏が楽しめますが、特に第1楽章の弦のピツィカートのアンサンブル精度が甘く、若干感興を削がれるので★ひとつ減としました。

晩年の極端に遅いテンポをとる少し前の収録なので、第1幕前奏曲はかなり遅いものの、その後はドラマの進展に合わせた燃焼度の高い演奏が繰り広げられています。歌手陣は総じて好演で、特にベーレンスのイゾルデは美しく高貴な役柄を遺憾なく表現しています。他の方も指摘されていますが、解説書の文字が小さくかつ不鮮明で、とても読めたものではありません。

録音状態は特に高弦の響きが硬質でざらつき気味なのが残念ですが、鑑賞に堪えられる範囲かと思います。ヴィッカーズの声はオテロよりはトリスタン向きで、どこか現実離れした伝説の騎士のような雰囲気があります。デルネシュはメゾソプラノに移行する少し前のせいか、高音域が絶叫調になっているのが気になります。

一連のセルのSACDで最も音質が悪く感じました。特にモーツァルトの2曲は、ヒスノイズ・音のざらつきが目立つだけでなく、オケとピアノを別録りしたかのような違和感があり、ピアノはモノラルにしか聴こえません。

SACDの高音質で骨太の力強い演奏が収められています。数あるキタエンコの録音の中で最も優れていると思います。

惜しくも亡くなったレヴァインを偲ぶ意味も込めて購入しました。晩年は失意の日々を過ごしていたことと思いますが、ここに収められた30代から40代にかけての演奏は、速いテンポで颯爽とした仕上がりになっており、作曲者の諦観のようなものはあまり感じられないものの、こういうブラームスも悪くないと感じました。

晩年の充実した演奏が高音質で堪能できる素晴らしいセットと思います。特に第九はフルトヴェングラー~バイロイト以来の強い感動を覚えました。

新録音なのに音が冴えない。ペダルのタッチが雑(稚拙)。バルトークの鋭敏な感性を表現しようとしているのかもしれないが、金切り声をあげているように聴こえる。以上の三点から期待を大きく下回りました

リマスタリングの効果は歴然としていて、緻密でありながらもどこか飄々とした風通しのよさを感じさせる演奏を、余すところなく楽しませてくれます。特に第13番に深い感銘を受けました。

このコンビによる既出のショスタコーヴィチは、音質と演奏の素晴らしさで高い評価を受けていますが、今回も期待を裏切りません。ネルソンスの巨視的でありながら細部まで神経の行き届いた解釈と、ボストン響のどのパートもムラがなく充実した演奏が一体となって、ずっしりとした手応えを感じさせてくれます。録音もCDとしては最高レベルにあり、特に第4番第3楽章の終結部におけるデリケートなサウンドは聴きものです。

最近のハーディングとゲルネの好調ぶりを伝える優れた出来栄えと思います。ハーディングは大風呂敷を広げるような所は全くなく、精緻かつ力強い演奏を展開しています。ゲルネの深々とした声もワーグナーにふさわしいと感じました。ひとつ残念だったのはゲルネの声にやや不自然なエコーが付けられていることで、これは不要ではないでしょうか。

メルニコフのディスクで初めて不満を感じました。鳴りにくい楽器を無理に鳴らそうとしてか、ヒステリックで乱暴な演奏になってしまっています。特にグラーフを使ったシューベルトがひどく、次のエラールによるショパンのエチュードも詩情がまるでありません。スタインウェイによるストラヴィンスキーはさすがに楽器の鳴りはよいですが、力任せの感は否めません。唯一楽しめたのはベーゼンドルファーを使ったリストでした。

交響曲は早めのテンポで颯爽と進行しますが、第3楽章の熱狂は鋭く迫力十分に描かれています。弦楽四重奏曲の編曲版はティンパニを効果的に使ったダイナミックな表現が、この作品に新たな光を当てています。

巨匠指揮者と名人オケによるハイレベルで安定感のある演奏です。血気盛んな音楽家たちが聴かせるぶっ飛んだ刺激的な要素はありませんので、どこにポイントを置くかで評価が変わると思います。ライヴ録音と表示されていますが客席ノイズは感じられません。

粒立ちの良いクリアーなタッチがまず印象的です。知的かつ洗練された演奏で、ドイツ風の質実剛健といったタイプとは対極にありますが、決して物足りないことはなく、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ演奏史に新たな一ページを切り開いたと感じました。録音も演奏にぴったり合った玲瓏なサウンドを堪能させてくれます。

すみずみまで強い表現意欲に貫かれた雄弁な演奏です。奇を衒うような素振りは全くなく、クルレンツィスが感じた『悲愴』の全てを音で表現したような説得力があります。かなり大きな編成で演奏しており、音響的な満足度も高いです。ぜひ聴くことをおすすめします。

いかにもドイツのカルテットらしい緊密で揺るぎのない演奏です。曲によってはもう少し柔らかい感触も望みたいところですが、レベルが高いことは間違いなく、基本的なライブラリーとして最適かと思います。音質はクリアーですが高域が若干きつめに感じます。

ロイヤル・リヴァプール・フィルの全精力を傾けた熱演です。
ただし決して勢いに任せた爆演ではなく、ペトレンコの強力な
牽引力によるシャープなサウンドが印象的です。第二部後半は
特に素晴らしく、パワフルで鋭いリズムの刻みが圧巻です。

演奏はいつものキーシンで特に不満はありません。問題は音質で、
特にカーネギーホールでの『月光』は、ノイズの多さとピアノの
貧しいサウンドが興ざめです。

音質改善は目覚ましく、既発売盤から買い替える価値は充分あります。
ともすると説教臭い音楽にも感じられる『フィデリオ』から生命力に満
ちたサウンドを引き出したバーンスタインに称賛を贈ります。

5月10日にシューバート劇場で公演を観ました。ベット・ミドラーの人気はものすごく高く、
登場しただけで大喝采を浴びていました。ジェリー・ハーマンの涙と笑いを誘う音楽の素晴
らしさも相まって、感動的な舞台を堪能しました。セリフを除いた主要な音楽部分は網羅さ
れていますので、観た人もまだの人も楽しめると思います。

テレマンは在世時バッハやヘンデルよりも人気が高かったそうですが、
今回50枚に及ぶ作品集(といっても氷山の一角ですが)を聴いて納得し
ました。簡単に言うとバッハとヴィヴァルディの中間、つまりバッハ
ほど厳めしくなく、ヴィヴァルディほど軽くない、という印象です。
モダンな響きも散りばめられていて50枚聴いても全く飽きません。
演奏と録音も総じて優秀でおすすめです。

ショスタコーヴィチを得意にしているビシュコフですが、名作『第10番』でも彫りが深く、かつダイナミックな演奏を繰り広げています。しかし、このディスクの魅力はそれだけではありません。併録のグラナート『劇場的動物譜』が何とも魅力的で、この曲だけ既に10回以上聴きました。現代音楽が獲得した多彩な表現力を駆使して、まさにしなやかな猛獣の躍動を髣髴とさせるようなエキサイティングなサウンドが堪能できます。

ライブですが録音状態は良好でホロヴィッツならではの玄妙なタッチが鮮明に収められています。晩年は集中力や技巧の衰えも散見されましたが、ここでは完璧とまではいかないものの気合充分でかなり満足できる出来栄えです。聴衆の興奮もリアルに伝わってきます。

このコンビの演奏にいつも漲っている生命力が感じられず、よくいえば穏やかな、率直にいえば淡々としたありきたりの演奏に正直がっかりしました。

意外なほどテンポが速く、第1楽章のコーダなどジュリーニらしからぬ落ち着きのなさ(情熱の裏返し?)を感じました。「第8番」同様、ティンパニがかなり抑えて収録されているので、音の重量感もいまひとつでした。

ジュリーニが最後の輝きを見せていた1980年代半ばのライブ。どっしりとした重量感と豊かな歌心が一体となった、ジュリーニならではの演奏が収められています。指揮者のうなり声、オケのミスなども当然そのまま刻まれていますが、ティンパニが控えめに録られていることと、全体的に硬質な響きが少し残念です。

大変表情豊かで彫りが深い演奏です。しかも編曲者のラヴェル的なまばゆい色彩感ではなく、ムソルグスキー的な濃厚で原色の美しさを引き出すようなサウンドが堪能できます。1曲だけですが価格も安く、聴いてみることをお薦めします。

私の知り合いでピアノの名手がいるんですが、その彼をして「どのようにすれば弾けるのか分からない」と言わしめるほどの難曲。マツーエフの技巧は秀逸で、粒立ちのよいタッチで鮮やかに弾ききっています。またゲルギエフの指揮も前作のチャイコフスキーよりはるかに気合が入っており、優秀な録音も相俟って聴き応え充分です。

『ラインの黄金』『ワルキューレ』を同時に購入し続けて聴きましたが、いずれも純然たるライヴのため客席ノイズが結構気になります。それとダイナミックレンジを抑えて収録してあるため、ワーグナーの世界にどっぷり浸かりたい場合はかなりボリュームを上げなければなりません。演奏後の拍手は盛大で、現場に居合わせたら感動したかもしれませんが、リスニングルームではいまいち凄みに欠けるという印象です。

確かに1曲だけというのは物足りないですね。それでも演奏が圧倒的に良ければまだ納得できるんですが、マリス・ヤンソンスのチャイコフスキーはけれんみのない誠実なものとは思いますが、心から感動させるプラスアルファは残念ながらありませんでした。

ライヴですが録音状態は良好で、名手二人の熱演が堪能できます。普段は落ち着いた雰囲気のフレイレがアルゲリッチに触発されたのか、テンションの高いプレイを披露し、芸風の違いのようなものは感じさせません。

(全61件)