III その後の音楽シーンにアフロビートが与えた影響
1時間目で話したように、アフロビート自体もいまだ新たなアーティストが続々と登場しているけど、別のジャンルにおいてもこの要素を採り入れている人がたくさんいるんだ。早い段階から導入に意欲的だったトーキング・ヘッズが、アフロビートとロックをデジタル感覚で融合させた『Remain In Light』はなかでも有名だし、日本ではじゃがたらがホーン・セクションを含めたアフロ志向のサウンドを聴かせていたね。近年ではUKのフォールズがアフロビートを軸に練り上げたフィジカルなダンス・ロックをやっているよ。
一方、クラブ・ミュージック・シーンでは、フェミ・クティのUSデビューに尽力したティミー・レジスフォードやケニー・ドープらNYハウスの顔役はもちろん、ミニマル界隈ではビート・ファーマシーやベーシック・チャンネル周辺がアトモスフェリックな部分でアフロビートにアプローチしている。また最近ではトニー・アレンのリミックス・アルバムにディプロやカール・クレイグらが参加し、リスペクトを表していたよ。
さらに、音楽性以上にその精神性へ共感を寄せているディアンジェロやコモンらUSのヒップホップ/R&B勢はフェラのトリビュート盤に参加してもいる。いまや幅広くその根を張り巡らしているアフロビートは、これからもさまざまな音楽に採り入れられ、さらに進化していくんだろうね。