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第39回 ─ AFROBEAT

第39回 ─ AFROBEAT(3)

連載
Di(s)ctionary
公開
2009/07/01   18:00
ソース
『bounce』 311号(2009/6/25)
テキスト
文/西尾 洋儀

II それでは実際に聴いてみよう! その2

NOMO 『Nomo』 Velour(2004)
デトロイトから登場して瞬く間に人気を博したバンドの代表作。本来は長尺のアフロビートだけど、曲をコンパクトにまとめた彼らの楽曲はより多くの人が手に取りやすいんじゃないかな。他の新世代勢と比べてジャズ的な即興アプローチが多いのも特徴で、なかにはカリンバを使った曲もあるよ!

AKOYA AFROBEAT ENSEMBLE 『P.D.P.(President Dey Pass)』 Radiments(2007)
本家を彷彿とさせるグルーヴを聴かせる、純粋なアフロビート探求者といった趣のNYのバンド(日本人も参加!)だよ。フェラのジャケットを手掛けたレミ・ハリオクの絵をアートワークに使用し、フェラへの追悼曲も収録する徹底ぶり。

ANTIBALAS 『Security』 Anti-(2007)
ブッシュ政権を糾弾した前作で、新世代ならではの体制への反発を表現したNYのバンドによる最新作。プロデューサーにジョン・マッケンタイアを迎え、メタリックな質感を持ったこれまでになく鋭角的な音像を実現した。新たなアフロビートの創造に挑戦する彼らの気概が伝わってくるね。

SEUN KUTI & EGYPT 80 『Many Things』 Tot Ou Tard(2008)
フェラ亡き後にエジプト80を引き継いだ末息子が本作で衝撃的なデビューを飾った。〈スゴイ奴〉って噂は聞いていたけど、事実、先生は相当唸らされてしまったんだ。奇を衒わずにド真ん中の極濃アフロビートでグイグイ飛ばす迫力は、絶対に聴かなきゃ損だよ!

SOOTHSAYERS 『The Time Is Now』 Soothsayers(2008)
UKバンドならではのモダンなアプローチで異彩を放つ、彼らの持ち味が良く表れた作品。アフロ・ラテン・ジャズ風、ダブ処理など引き出しの多さはこの世代勢随一! ルーツ・マヌーヴァ、キザイア・ジョーンズといったゲストも豪華で聴き応えも満点だ。

KINGDOM★AFROCKS 『LIVE IN AFRO CITY』 Pヴァイン(2008)
日本を代表するアフロビート・バンドによる初作は、何とライヴ録音。セネガル、ブラジル、キューバ帰りを含む個性派プレイヤーが集結し、お祭りモード全開で突っ走るとにかく痛快な一枚なんだ。ダンス・フリークをヘロヘロにする実力は折り紙付き!