II それでは実際に聴いてみよう! その1
FELA KUTI 『Shakara/Fela's London Scene』 ライス
アフロビートの型が完成される頃の70年作と、元クリームのジンジャー・ベイカーがバックアップしたロンドン録音による71年作の2in1。その後の作品に見られる闘争性は薄いけど、ハイライフやジャズ、ファンクが渾然一体となるスリリングな展開にゾクゾクする!
FELA KUTI & AFRIKA 70 『Zombie』 Barclay(1977)
彼の最高傑作との呼び声も高い、もっとも脂の乗っていた70年代後期の作品だよ。黒々と渦巻く強烈無比なグルーヴとドスの効いた声で、権力の操り人形のような軍隊を〈ゾンビ〉に例えて痛烈に批判したんだ。アフロビート云々を超えて、これはぜひ聴いてほしいね。
TONY ALLEN 『Eager Hands And Rest-less Feet-The Best Of Tony Allen』 Wrasse
アフリカ70期~2000年頃までの作品からセレクトされたベスト盤で、時代を超えて愛される凄腕ドラマーの旨味を堪能できる優れものだよ。なかでも78年制作“African Message”のもったりとしたグルーヴを生むクールなドラミングが絶品なんだ。
TUNDE WILLIAMS/LEKAN ANIMASHAUN 『Mr.Big Mouth/Low Profile』 Honest Jons
アフリカ70のメンバー2人が79年に発表した各リーダー作の2in1。制作も手掛けたフェラのエレピが渋いトゥンデの“The Beginning”など、佳曲が並んでいる。レカンのサックスが図太い音で鳴り響く“Low Profile”でのプレイが最高だ!
FEMI KUTI 『The Definitive Collection』 Wrasse
偉大な父親の精神を受け継いだ、フェミの足跡が窺えるベスト盤。USのヒップホップ/R&B勢と手を取って自身のスタンスを確立した2001年作『Fight To Win』(現在廃盤)に収録の、短い尺でヴォーカルを中心に組み立てていく彼ならではのアフロビートに注目しよう。
TONY ALLEN 『Home Cooking』 Comet(2002)
彼のドラムがいまの音楽シーンでも古びない理由がここにある。トニーとは別ユニットも結成しているデーモン・アルバーンらと共演を果たした本作は、クラブ・サウンドとの絶妙の相性を見せるタメの効いた鮮烈なプレイはもちろん、ラップとの絡みもただただカッコイイんだ。