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第92回 ─ ダップトーンとその周辺

第92回 ─ ダップトーンとその周辺(2)

連載
Discographic  
公開
2009/06/24   18:00
更新
2009/06/24   18:03
ソース
『bounce』 311号(2009/6/25)
テキスト
文/池谷昌之、出嶌孝次

THE DAKTARIS 『Soul Explosion』 Desco/Daptone(1998)
NYのアフロビート・バンドがデスコに残した唯一のアルバム(現在はダップトーンからリイシュー)。全員がもっともらしいアフリカ風の変名を使っているが……中身はボスコ・マン、そしてこの後にアンティバラスを組む面々! 在米の白人演奏家によるネオ・アフロビートの動きに先鞭を付けたという意味でも重要な一枚だろう。*出嶌

THE MIGHTY IMPERIALS 『Thunder Chicken』 Desco/Daptone(2000)
10代の演奏陣4人にJB系シャウターを擁するファンク・バンドの、デスコ末期のアルバム(2004年にダップトーンから復刻)。粗削りでラフな演奏ながら、ミーターズからの影響が大きいと思しき粘着質のグルーヴや、ハモンドが美味な“Cold Sweat”カヴァーのいなたさに思わず笑みがこぼれる泥臭ファンク盤だ。*池谷

SHARON JONES & THE DAP-KINGS 『100 Days, 100 Nights』 Daptone(2007)
バンドが疾走するファンク・サウンドを聴かせた旧作と比べ、この3作目はシャロン・ジョーンズの歌声をじっくり聴かせる仕上がりになり、演奏もヴォーカルありきの構成とブルージーさを備える60年代ソウル調の聴き心地になった。インスパイア源をJB'sからスタックスのMG'sへ変更、といった感じか。*池谷

THE BUDOS BAND 『The Budos Band II』 Daptone(2007)
〈スタッテン島のアフロ・ソウル〉を標榜する大所帯バンド(11人組!)の2作目。サントラ風のドラマティックな展開を見せる楽曲で不穏なムードを煽りつつ、アフロ・テイストをふんだんに盛り込んだ土着グルーヴが発火して密林を焼き尽くす! 本当にアフリカ産のような、土臭すぎるテンプス・カヴァー“My Girl”も最高。*池谷

LEE FIELDS 『My World』 Truth & Soul/DIZZARE(2009)
トゥルース&ソウルの最新弾は、69年にJBのカヴァーでデビューし、ローカル・ソウル道を泥臭く渡り歩きながらデスコ~ダップトーンからの7インチでヒップな再評価を受けてきたリー・フィールズの新作! 制御不能なおっさんヴァイブの熱さと音の若さ……ダニエルにグッときた人はこの黒々とした音塊も喰らってみてほしいね。*出嶌

JOE BATAAN 『Call My Name』 Vampi Soul(2005)
アンティバラスのメンバーなど若手の演奏家を多めに動員したNYの王様による近作で、ブーガルー好きのニール・シュガーマンもフルートで情熱を添えている。タンバリンを叩くボスコ・マンはエンジニアリングにも関与。似た系統のブツではクァンティック・ソウル・オーケストラの『Tropidelico』にもニール&ボスコが助力していた。*出嶌