II それでは実際に聴いてみよう! その2
WEATHER REPORT 『Heavy Weather』 Columbia(1977)
またまたマイルス卒業生、ジョー・ザヴィヌルが結成したバンドの7作目にして、〈ベースのジミヘン〉ことジャコ・パストリアス加入期の最高傑作だよ! URがカヴァーした“Birdland”はジョー主導のポップな名曲だし、ジャコの天才ぶりを伝える“Teen Town”も最高なんだ。
THE BRECKER BROTHERS 『Heavy Metal Be-Bop』 Arista(1978)
ブレッカー兄弟の代表作。ザッパ組のテリー・ボジオがドラムを叩き、エフェクターをかけたホーンとハード・プレイを展開するロッキンなライヴ盤だ。フュージョンがダサいと思ってる諸君は少なくとも“Some Skunk Funk”を聴いてから判断してほしいね。
THE CRUSADERS 『Street Life』 MCA(1979)
ジョー・サンプルやウィルトン・フィールダーらを擁する才人バンドの代表作。ランディ・クロフォードをヴォーカルに迎えた表題曲のヒットはフュージョンの商業化を推進した一曲とされるけど、ソウルフルな味わいがたまらないよ。近年はジョー&ランディのデュオ作も話題に。
GEORGE DUKE 『A Brazillian Love Affair』 Epic(1979)
ザッパ学校出身の鍵盤奏者で、クインシー・ジョーンズを意識したポップなサウンドを披露したのが彼。これはミルトン・ナシメントやトニーニョ・オルタらを迎えて躍動感たっぷりなブラジリアン・フュージョンをファンキーに展開した快作。シーラEも参加してるね。
GROVER WASHINGTON JR. 『Winelight』 Elektra(1980)
ジャケは露店で売ってるブート風だけど、ビル・ウィザースの歌う“Just The Two Of Us”などアダルトな名曲揃い! CTIなどにソウルフルな作品を残してきたサックス奏者が都会的な洒脱さを演出したこのヒット作以降、フュージョン全体がスムース・ジャズ化していくんだよ。
SHAKATAK 『Night Birds』 Polydor(1982)
日本でも高い人気を誇る現役ユニットの初作。初期インコグニートも含むUK産ジャズ・ファンクにはフュージョン解釈で楽しめるものが多いけど、なかでもこれは一級品だね。小粋なピアノと女性ヴォーカルがしなやかに絡む、フュージョン好きすら怒りそうな夜遊びBGM集だよ。