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第38回 ─ FUSION

第38回 ─ FUSION(2)

連載
Di(s)ctionary
公開
2009/06/17   18:00
更新
2009/06/17   18:13
ソース
『bounce』 310号(2009/5/25)
テキスト
文/出蔦考次

II それでは実際に聴いてみよう! その1

CHICK COREA & RETURN TO FOREVER 『Return To Forever』 ECM(1972)
マイルス学校の卒業生たるピアニストがスタンリー・クラークらと作り出した瑞々しい世界。ポスト電化ジャズ的なアコースティック感覚もフローラ・プリムの歌唱も、透明感に溢れたジャケそのままだよ! フュージョンの先駆け的な名盤だ。

MAHAVISHNU ORCHESTRA WITH JOHN McLAUGHLIN 『Birds Of Fire』 Columbia(1972)
『Bitches Brew』組のギタリスト、ジョン・マクラフリンがロックとクラシックの融合を目論んだ名盤。とはいえ、立体的なサウンドが楽しめるプログレ作品として単純に聴いて驚くべき。ビリー・コブハムのドラミングが凄絶だよ!

HERBIE HANCOCK 『Head Hunters』 Columbia(1973)
いまも変革を続けるハービーが本格的にクロスオーヴァーを図り、ハーヴィー・メイソンらとファンクに取り組んだ記念碑的な一枚。シンセ・リフの有名な“Chameleon”や“Watermelon Man”など、後のネタ人気も高い楽曲はいつ聴いてもグルーヴィーだね。

BOB JAMES 『Two』 CTI(1975)
ネタ人気ではこの人も別格。“Nautilus”の入った前作『One』もオススメだけど、こちらの冒頭を飾るポール・サイモン“Take Me To The Mardi Gras”のエレピはみんな聴いたことがあるんじゃないかな? パティ・オースティンの歌う“I Feel A Song(In My Heart)”も含めてポップに楽しめるよ。

GEORGE BENSON 『Breezin'』 Warner Bros.(1976)
フュージョン人気をポピュラーにした決定的な一枚といえばこれかな。CTIで活躍していた凄腕ギタリストがシンプルな演奏で爽やかな音像を紡ぎ上げた、まさにブリージンな名作だ。自身で歌った“This Masquerade”のヒットで、以降の彼はシンガー活動が主体になるんだ。

STUFF 『Stuff』 Warner Bros.(1976)
上掲のベンソン作と同じくトミー・リピューマが手掛けたヒット・アルバムだね。リチャード・ティーやスティーヴ・ガッドら、いずれもNYを拠点にする大物セッションマンが集って結成されたバンドの初作で、個々の演奏力の高さとピースフルなノリがポップな整合感に落とし込まれているよ。

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