こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

NEWS & COLUMN ニュース/記事

第37回 ─ THRASH

第37回 ─ THRASH(2)

連載
Di(s)ctionary
公開
2009/05/21   02:00
更新
2009/05/21   17:48
ソース
『bounce』 309号(2009/4/25)
テキスト
文/粟野 竜二

II それでは実際に聴いてみよう! その1

METALLICA 『Master Of Puppets』 Elektra(1986)
まずはこれを聴かなきゃ始まらない。純粋なスラッシュ盤という意味では前2作品『Kill 'Em All』『Ride The Lightning』を押す愛好家も多いけど、静と動を巧みに織り交ぜたこの3作目こそ、スラッシュが生んだ〈完成形のメタル〉のひとつなんだ。

MEGADETH 『Peace Sells...But Who's Buying?』 Capitol(1986)
メタリカをクビになったデイヴ・ムステイン率いるバンド、なんて説明は不要かな? 高度な演奏と複雑な展開で、〈インテレクチュアル・スラッシュ・メタル〉なるスタイルを確立した初期の代表作。知性と凶暴さの同居した楽曲がスリリングだね。

SLAYER 『Reign In Blood』 American/Columbia(1986)
若干の変化はあるものの、四天王のなかで唯一いまでもスラッシュ・スタイルを貫いている〈帝王〉。で、後のデス・メタルやメタルコア勢にも絶大な影響を与えた金字塔的作品がこれだ。速さと残虐さを極限まで突き詰めた永久不滅の名盤だよ。

ANTHRAX 『Spreading The Disease』 Megaforce/Island(1985)
パブリック・エナミーとの共演やサイド・プロジェクトのSODなどでジャンルの枠を越えていった彼らだけど、この2作目はスラッシュのお手本のような勢いのある正統派の楽曲が満載。〈狂気のスラッシュ感染〉という邦題が内容を的確に表しているね。

TESTAMENT 『The Legacy』 Atlantic(1987)
ベイエリア・クランチの立役者によるデビュー作。アレックス・スコルニックの緩急自在なギター・リフとチャック・ビリーの強力無比なヴォーカルは、〈これぞスラッシュ!〉というべきカタルシスに満ちているんだ。ちなみにアルバム・タイトルは前身バンドの名前だよ。

EXODUS 『Fabulous Disaster』 Combat/Century Media(1989)
こちらもベイエリア産。一般的には初作『Boned By Blood』が名盤とされているけど、スティーヴ“ゼトロ”スーザのアクの強い声とクランチ・リフの魅力が最大限に引き出されたこの作品も、もっと評価されて然るべきだと先生は思うんだ。

前の記事

次の記事