こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

NEWS & COLUMN ニュース/記事

第34回 ─ SKA

第34回 ─ SKA(4)

連載
Di(s)ctionary
公開
2009/02/12   13:00
更新
2009/02/12   18:10
ソース
『bounce』 306号(2008/12/25)
テキスト
文/斎藤 ジョゼ

III スカのその後の流れと以降のシーンに与えた影響

 60年代初頭~半ばにかけてスカ一色だったジャマイカ・シーンにもやがて変化が訪れ、66年頃からテンポを落としたロックステディという音楽が人気を集めはじめるんだ。同時に、相応の報酬を得られないプレイヤーの目が海外に向けられるようになり、特にUKにはジャマイカ移民が多いこともあってたくさんの音楽家が同地に移住してしまうんだよ。

 でも、ここで終わらないのが凄いところ。スカ熱はUKのモッズやスキンズに伝播し、70年代に入るとクラッシュやオートマティックス(後のスペシャルズ)がパンクとスカを融合した音楽を創造するんだ。なかでも後者は2トーンというレーベルを設立してマッドネスを輩出するなど、大きなブームを起こしていくんだよ。また、80年代にはUSでもフィッシュボーンらがスカを消化したミクスチャー・ロックを展開。その流れが、ここ日本でもSCAFULL KING~riddim saunterらへと受け継がれているね。さらに、キューバ出身のスカ・クバーノが地元の土着音楽を採り入れながらスカを現代風にアップデートしたことも記憶に新しいところかな。

 一方で、〈オリジナル・スカ〉の系譜も脈々と続いているんだ。スカタライツもまだまだ現役だし、日本ではCOOL WISE MENがリコ・ロドリゲスやエディ“タンタン”ソーントンらレジェンドと共演して話題になったね。まとめると、スカはその時代や場所の空気を柔軟に吸収ながら進化を続ける、色褪せることのないダンス・ミュージックと言えるかもしれないな。
▼関連盤を紹介。

前の記事

記事ナビ