III ドゥワップのその後の流れと以降のシーンに与えた影響
63年頃、黒人音楽の新たな主流となったソウルにバトンを渡すような形で、ブームとしてのドゥワップは終焉を迎える。けれども、以後もそのスタイルを敬愛する輩は後を立たないんだ。 ビーチ・ボーイズやフランク・ザッパをはじめドゥワップ調の自作曲を披露している連中はロック界にも数多く存在し、なかでも“The Longest Time”を放ったビリー・ジョエルはその代表格といえるね。また日本に目を向けると、アカペラ・シリーズ〈ON THE STREET CORNER〉でマニアぶりを発揮した山下達郎や、ドゥワップの歌謡化を推進したシャネルズという強力な布教者も存在している。その功績もあってか、ゴスペラーズを筆頭とする近年のコーラス・グループにもドゥワップの影響は垣間見られるよ。
一方、ソウル/R&Bシーンでは、93年にボーイズIIメンがドゥワップ古典のカヴァー“In The Still Of The Nite(I'll Remember)”で全米3位を獲得するという快挙を成し遂げたんだ。先生はあの時の感動をいまだに忘れられないよ。近年では〈ヒップホップ+ドゥワップ=HO-WOP〉を標榜し、フラミンゴスをネタ使いしたイタリア系のシンガー、エイメンの登場も刺激的だった。ストリートの黒人文化から発信されたという意味で、ヒップホップはドゥワップの孫のようにも思えないかい? このように、ドゥワップはさまざまなジャンルや時代のなかでリサイクルされ続けているんだ。
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