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第153回 ─ 復活から1年……いよいよ充実してきたスタックスの現状をレポート!!

スタックスの栄光と挫折を描いた名著がついに邦訳!

連載
360°
公開
2008/08/28   21:00
ソース
『bounce』 302号(2008/8/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

 これはもう絶好のタイミングでの邦訳だと言えるし、そうでなくても音楽ファンなら読んでもらわなければ始まらない。ロブ・ボウマンが深い愛情と綿密な取材によってスタックスの20年史を追った著書「Soulsville U.S.A. The Story Of Stax Records」(97年)が「スタックス・レコード物語」として刊行されたのだ。一軒のレコード店が人々の奮闘と優れたアイデアによって奇跡を連発していく60年代の話も当然おもしろいのだが、70年代以降のメチャクチャなドラマこそ読み込まれてほしい。沈んでいく船とそこに残った人々の、最後の日々の異様な美しさといったら……。数年前に邦訳された「スウィート・ソウル・ミュージック」も名著だが、本書の主役はスターたちではなく、その後ろで音楽に愛を捧げた裏方たちなのだ。