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第76回 ─ 最新型のニンジャ・チューン

第76回 ─ 最新型のニンジャ・チューン(3)

連載
Discographic  
公開
2008/04/24   21:00
ソース
『bounce』 297号(2008/3/25)
テキスト
文/青木 正之、池田 謙司、櫻井 誠、田中 直樹、出嶌 孝次

LOKA 『Fire Shepherds』 Ninja Tune(2006)
スーパー・ヌメリのメンバーによって結成されたロカは、ポスト・ロック的なアプローチでサイケデリックなジャズを奏でる新世代バンド。この初のアルバムでは、トータスやフォー・テットあたりにも通じる、めくるめくインプロヴィゼーションの応酬に陶酔させられてしまう。
(池田)

DAEDELUS 『Denies The Day's Demise』 Ninja Tune(2006)
US西海岸を代表するビートメイカーの2作目。ポスト・ロックやエレクトロニカ的な前作までのアプローチに、ブラジル音楽やラテンっぽい要素が加わり、サウンドの広がりはさらに増した。叙情性も忘れずに注入して独自の世界観を維持しています。
(田中)

AMMONCONTACT 『With Voices』 Ninja Tune(2006)
ドゥワイト・トリブル&ライフ・フォース・トリオでの作品もニンジャから出しているカルロス・ニーニョと、ファビアン・アモンのコンビ。この現時点での最新作は、カット・ケミストやデイデラスらとのコラボを軸にした雄大なコミュニケーション・ブレイクビーツ集だ。
(出嶌)

BONOBO 『Days To Come』 Ninja Tune(2006)
臨場感のある生音とタイトなビートで奏でられた、ジャジーかつブルージーな味わいの極上チルアウト作。深みのある女性シンガーのパフォーマンスも見事だし、歌心豊かなインストにおけるメロディーも絶品。時代を超越して普遍的な輝きを放つであろう名作だ。
(青木)

ZERO dB 『Bongos, Bleeps & Basslines』 Ninja Tune(2006)
エコーを駆使したボンゴに極太なベース……踊らせることだけを考えたかのような裸のグルーヴが強烈! ジャズやラテンからの影響も色濃く、とにかくリズムへのこだわりは尋常じゃない。パーカッション主体のサウンドはニンジャ的にも新しかった。
(田中)

YPPAH 『You Are Beautiful At All Times』 Ninja Tune(2006)
ターンテーブリストとしての活動に加え、ギターやベースの演奏もイケちゃう多芸な男、イッパーのファースト・アルバム。巧みにサンプリングを重ねた心に響くメロウ・サウンドが持ち味で、エレクトロニカ~ポスト・ロックからジャズのファンまでも魅了した。
(青木)

KID KOALA 『Your Mom's Favorite DJ』 Ninja Tune(2006)
レーベル屈指の異才DJが、さまざまなスキルを駆使してビートもウワ音もターンテーブルのみでこなしたという独創性に溢れた3作目。タイトルからも窺えるようにユーモアもふんだんに盛り込まれ、どことなくほんわかムードの脱力感がクセになる不思議な仕上がりだ。
(青木)

dj KENTARO 『ENTER』 Ninja Tune(2007)
〈Solid Steel〉への抜擢を経て登場した初のオリジナル・アルバムは、豊かなバックグラウンドを活かしてエレクトロ、ドラムンベース、ヒップホップなど起伏に富んだビートを躍動させた一枚。脇を固めるスパンク・ロック、HIFANA、LITTLE TEMPOらゴキゲンなゲストの人選も完璧です。
(青木)

POP LEVI 『The Return To Form Black Magick Party』 Counter(2007)
カウンターの第1弾アクトは、スーパー・ヌメリ/ロカにも在籍するこのヒゲ野郎。英国ロックの伝統性にUSサイケとソウルと何か(何だ?)を配合した万華鏡サウンドはちょっと才能ありすぎだろ。マーク・ボランが降りたような“Blue Honey”が最強。
(出嶌)