II それでは実際に聴いてみよう! その1
BRINSLEY SCHWARZ 『Nervous On The Road』 United Artists/Repertoire(1972)
彼らは〈UKのザ・バンド〉と言われ、USのルーツ・ミュージックに根差した音楽性をウリにしています。独自の軽快なポップさがあり、そこがメンバーであるニック・ロウやイアン・ゴムのソロ作へと繋がっていくわけですね。
DUCKS DELUXE 『Taxi To The Terminal Zone』 RCA/Mau Mau(1974)
ブームの中核を担っていくタイラ・ギャング、モーターズ、ルーモアのメンバーを輩出した、ブリンズリー・シュウォーツと並ぶパブ・ロックの起源みたいなバンド。コクのある演奏とキャッチーな楽曲は、大衆音楽としてのシーンを象徴していました。
DR. FEELGOOD 『Down By The Jetty』 Grand/EMI(1975)
これぞパブ・ロック!な一枚で、これを聴かなきゃ始まりません。ウィルコ・ジョンソンのマシンガン・ギターが炸裂する男のロック。先達のようなポップな親しみやすさではなく、ゴリゴリとしたソリッドなR&Bスタイルにこだわり、絶大な人気を得ることとなります。
GRAHAM PARKER & THE RUMOUR 『Howlin' Wind』 Vertigo/Polydor(1976)
現在も精力的に活動を続けるロッカーが、シーンから名うてのプレイヤーを集めて録音したデビュー作。のちに独立するバックの演奏に負けない、グレアム・パーカーのソウルフルで熱いヴォーカルが素晴らしい。粋が詰まってます!
EDDIE AND THE HOT RODS 『Teenage Depression』 Island/Captain Oi!(1976)
パブ・ロックとパンクの架け橋的な役目を担ったバンド。パブ・ロックの持つストレートなロックンロールの側面を押し進めたサウンドと、若者の気持ちを代弁した歌詞はパンク誕生前夜を飾るに相応しい。初期にはルー・ルイスも在籍。
FLAMIN' GROOVIES 『Shake Some Action』 Aim/DBK(1976)
60年代から活動しているUS西海岸のバンドですが、この時期に渡英し、デイヴ・エドモンズをプロデューサーに迎えて本作を完成させます。パブ・ロック~パンク/パワー・ポップの流れとリンクして支持を獲得した、最高のロックンロール・バンドですね。