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第18回 ─ BURBANK

第18回 ─ BURBANK(2)

連載
Di(s)ctionary
公開
2007/10/18   23:00
ソース
『bounce』 291号(2007/9/25)
テキスト
文/鈴木 惣一朗

Ⅱ では、実際に聴いてみよう その1

HARPERS BIZARRE 『The Secret Life Of Harpers Bizarre』 Warner Bros.(1968)
レニー・ワロンカーがプロデュースを、ニック・デカロらがアレンジを手掛けた3作目。物語に沿って進行していくコンセプチュアルな一枚で、バート・バカラック作曲の“Me, Japanese Boy”という素晴らしい曲がここに収録されているよ!

THE EVERLY BROTHERS 『Roots』 Warner Bros.(1968)
60's初頭のアイドル・グループが再起を賭けてロックに移行したんだけど……レニー・ワロンカーに移行したらダメなんだよ。余計古臭くなっちゃうから。そういう罪作りな一枚。アメリカの原風景をエヴァリー・ブラザーズが無理矢理に探る、でも本人たちの意向なし!

HARRY NILSSON 『Nilsson Sings Newman』 Buddha(1970)
これはハリー・ニルソンがランディ・ニューマンの曲を歌った作品。ジャズの人はよくこういうことをやるけど、それにしてもまだ現役で活動している友人を讃えるというのは珍しいケース。ピアノと歌が中心で音数が少ないため、曲の良さが滲み出ています。

VAN DYKE PARKS 『Discover America』 Warner Bros.(1972)
この2作目が彼の最高傑作と言われているのは、カリプソの導入が誰よりも早くて巧かったからかな。ちなみにジャケのバスはトリニダード行きとハリウッド行きになっていて〈アメリカ再発見〉を謳っているんだけど、そのコンセプト自体は不評だったんだ。

NICK DECARO 『Italian Graffiti』 MCA(1974)
ライヴァルのA&Mとワーナーを結び付けるキーマンで、歌が好きなのに歌えないアレンジャー。本盤はそのヘタウマ加減が良い感じに出ている彼の2作目だ。ちなみにプロデュースを担当したトミー・リピューマは、ベン・シドランなど歌えないシンガーを集めて後にレーベルを設立。

GABBY PAHINUI 『The Gabby Pahinui Hawaiian Band Vol.1』 Panini/オーマガトキ(1974)
ライ・クーダーもバーバンク精神を受け継いでいる人。当時ほとんど聴かれなくなっていたハワイのスラックキー・ギターを世界に紹介しようと彼が取り組んだものこそ、このギャビー・パヒヌイとの共演盤だ。デカロのアレンジも良い!

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