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第10回 ─ ビートと言葉で闘い続けたじゃがたら

第10回 ─ ビートと言葉で闘い続けたじゃがたら(3)

連載
Ho!楽探検 タイムマシーン
公開
2007/10/11   21:00
ソース
『bounce』 291号(2007/9/25)
テキスト
文/ダイサク・ジョビン

日本のロック黎明期に誕生した名盤たち

 擬似ロック&歌謡的なグループ・サウンズには飽き足らず、もっと本物のロック・サウンドを求めて試行錯誤を繰り返していた70年前後のミュージシャンたち。そんな彼らが残した名盤が一気にリイシューされたので紹介。

 内田裕也とフラワーズの69年作『CHALLENGE!』(コロムビア)は、〈日本のロックのゴッドファーザー〉こと内田が、67年にロンドンでザ・フーやジミ・ヘンドリックスなどに衝撃を受けて、帰国後すぐに制作した一枚。ジミヘンやジャニス・ジョプリンなどのカヴァーが中心で、ほのかに醸し出すサイケデリック感がヤバい。

エイプリルフールの69年作『エイプリルフール』(コロムビア)は、日本のロック史を語るうえで絶対に欠かせない一枚。モビー・グレイプやアイアン・バタフライなど、西海岸のサイケデリック・ロックの影響をモロに受けた実験的なサウンドは、いま聴いても相当ブッ飛んでてカッコイイです(翌年にメンバーの細野晴臣と松本隆ははっぴいえんどを結成する)。

 フリーやフェイセズで活躍したベーシストとして有名な山内テツ。彼がフリー在籍中の72年に発表したソロ作『TETSU』(コロムビア)は、玄人肌のセンス溢れるファンキーなロック・サウンドを聴かせてくれる一枚だ。

また、日本の早すぎたガレージ・サイケGSバンド=ザ・ダイナマイツで山口富士夫と共に活躍したヴォーカリスト、瀬川洋の72年作『ピエロ』(コロムビア)も登場。ザ・バンド的なアプローチで聴かせる、多種多様なアメリカン・ルーツ・ミュージックがカッコイイです。

最後はフラワーズ~フラワー・トラベリン・バンドで活躍したギタリスト、石間ヒデキの73年作『ONE DAY』(コロムビア)。ストーンドしたフォーク~ロックがピースフルな雰囲気を作り出している一枚です。