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第15回 ─ ACID JAZZ

第15回 ─ ACID JAZZ(2)

連載
Di(s)ctionary
公開
2007/07/05   16:00
更新
2007/07/05   17:59
ソース
『bounce』 288号(2007/6/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

Ⅱ それでは実際に聴いてみよう! その1

THE JAMES TAYLOR QUARTET 『1987』 Ace/BGP
プリズナーズなるネオ・モッズ・バンドにいたハモンド奏者のJTが80年代半ばに結成したJTQ。今作はAJL設立前のエディ・ピラーが87年に送り出したアルバム2枚をまとめたもの。モッズ文脈とアシッド・ジャズの連続性を、60's映画音楽風の小粋なサウンドで伝えてくれる。

THE BRAND NEW HEAVIES 『Trunk Funk -The Best Of』 Rhino
89年にAJL入りした彼ら。最初はインスト中心のモッドな男子バンドだったんだけど、エンディア・ダヴェンポートの加入で美味な歌モノにシフトしていった。このベスト盤ではサイーダ・ギャレットやカーリーン・アンダーソンなど他リード陣の歌も楽しめるぞ。

OMAR 『There's Nothing Like This』 Congo Dance/Talkin' Loud(1991)
前年の自主盤をジャイルズがフックアップしたこの衝撃作によってアシッド・ジャズと括られたけど、実際は泥臭い歌い口を洒脱に聴かせるスティーヴィー・ワンダー直系の才人だ。彼の存在がシーンの解釈の幅をアーバン方面にまで広げたと言えるよね。


SNOWBOY & THE LATIN SECTION 『Descarga Mambito』 Acid Jazz(1991)
80年代からジャズ・ダンス・シーンを牽引するDJ/ラテン・パーカッショニストで、最近また動きが活発なスノーボーイ。AJL発の本作は、往時のアシッド・ジャズと現行ディープ・ファンク連中の嗜好の近さを窺わせるフロア・サウンド満載だな。

YOUNG DISCIPLES 『Road To Freedom』 Talkin' Loud(1991)
ディマスとカーリーン・アンダーソンを輩出した〈若き弟子たち〉のUK音楽史に残る名盤。往年のソウル師匠たちへの畏敬を、兄弟子たるミック・タルボットとポール・ウェラーを交えて格好良く表現しているんだ。持ってない人は早退していいからすぐに入手すること!

CORDUROY 『Dad Man Cat』 Acid Jazz(1992)
日本盤がトラットリアからリリースされたこともあって、ある種の渋谷系ムードに寄与したと思われるのが彼ら。スパイ映画のサントラばり(?)のモッドなオルガンとクールなグルーヴはJTQの志向をよりポップに舵取りしたもので、当時は〈ファンキー・ロック〉とか呼ばれていたね~。