「JBはひとつの概念になっている」──Ginger does'em allの黒い証言!?
「え? またそんなデマが流れたんですか? あはははは。まあ、どっちにしても神様みたいなもんですから、僕のなかでJBは〈JB〉というひとつの概念になっちゃってるというか、記号化しちゃってるというか。生き死にを超越したところに存在していますね」。
そのようにJB死亡説を一笑に付してくれたのは……Ginger does'em allさんじゃないか! フェラ・クティをジャケに降臨させた傑作『FEVER IN RHYTHM』も残している彼だが、そのゴッタ煮な音楽性のなかにはJBに端を発するファンクな具材がゴロゴロしてるというわけだな。
「中学生くらいの時に“Living In America”のプロモ・クリップを録画して何度も観てた記憶があります……変な髪形だなあと。しっかり意識して聴きはじめたのはハタチ過ぎでしょうか。元はPファンクが大好きで、そこから遡りました。若き日のブーツィーのプレイが聴けるということで最初に『Sex Machine』を買いましたね」。
JBの髪型は継承しなかったGingerさんながら、サウンドはヤバいぞ。この人の作品は毎回ハズレなしだけど、最新作『GET IT』はまたもユニークな驚きとドス黒い心地良さに溢れているのだ。今回の聴きどころは?
「全体的にはブラック・ミュージックを再構築したビートと変態的でありつつポップさを維持しているところ、ですかね。例えば表題曲はジャズ・ファンク+ディスコを、“LOW DAY(LAY MORE)”はレア・ファンクを意識しています。いずれも70'sブラックがお好きなら楽しめるかと。解体してる時点で純粋な黒人音楽ファンには拒絶されるかもしれませんが(笑)」。
一方で、自身にとってのJBを「ファンクは僕の音楽の土台であり、僕の血肉でもありますから、JBは僕の一部、もしくは父親であると言えます」と語る彼。その真偽は『GET IT』を聴けばすぐにわかるよ!