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第2回 ─ 味噌と和尚とスコッティ・ブラザーズ

第2回 ─ 味噌と和尚とスコッティ・ブラザーズ(2)

連載
JAMES BROWN IS NOT DEAD
公開
2007/04/05   16:00
更新
2007/04/05   18:32
ソース
『bounce』 285号(2007/3/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

「JBは僕の頭のなかに住んでいる」──DJオショウが重要な証言をしてくれた!


  JBは生きてるって言ってるのに、和尚さんを呼んだのは誰だよ!と思ったら、我チンコ・ファンキー・ブレイクスを満載した初のオリジナル・アルバム『ヴァイナル・パズル』をリリースしたDJオショウじゃないか。MOPとスムースBの参加もある同作は、ケミカル兄弟風からラテン、ハウスまでが飛び出してきたり、予想外の展開に大興奮させられる傑作だけど、その根っこにはやはりJBがあるよね!

「そう、いちばんの聴きどころはJB的ヴァイブスを注ぎ込んだファンキー・ナンバーが多数収録されてるところ! ネタ使いも、思わずニヤリとさせる和モノから大ネタまでをパズルのように組み込んでるし、JBにヤラれた方にはぜひ聴いてほしいですね」。

 あらゆるヒップホップ~ブレイクビーツの起源はJBに行き着くわけだけど、このアルバムはそこからの跳躍力が素晴らしいのよ。

「いや、行き着くというか、JBが作ってるんで。僕の頭のなかにJBが住んでまして、構成から曲のテンションまで、だいたいJBが考えてプロデュースしてるんですよ。MPCの打ち込みだけは不得意なので僕がやってますけど」。

 これは重要な証言だ! そんなオショウだからこそ、クラブ・プレイを通じても独自の主張を展開している。

「〈Rest In Peace〉とか言ってJBの曲をプレイするDJもいますが、冗談じゃないです。僕はそんな死亡説をかき消すべく、あえてピークタイムに“Funky Drummer”を2枚使いして、強引にビヨンセと繋ぐことによって、いまもイケイケで健在なJBをアピールしています」。

 素晴らしい。JBを「自分のあり余ったエネルギーを常に音楽へと導いてくれる存在」と語るオショウの作品からは、間違いなくその荒ぶる魂を感じることができるはずだ。

▼DJオショウが推薦するJB盤。