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第6回 ─ 渋谷系

第6回 ─ 渋谷系(2)

連載
Di(s)ctionary
公開
2006/08/03   23:00
ソース
『bounce』 278号(2006/7/25)
テキスト
文/内田 暁男

2. では、実際に聴いてみよう! その1

フリッパーズ・ギター 『カメラ・トーク』 ポリスター(1990)
渋谷系の口火を切ったともいえるTVドラマ主題歌“恋とマシンガン”を収録したセカンド・アルバム。洗練されたボッサ、ネオアコの作法や打ち込み、大胆な引用のなかで表現された〈なんか超ムシャクシャする〉という若者の反抗的気分こそ、渋谷系の通奏低音だったのです。

VENUS PETER 『LOVEMARINE』 WONDER RELEASE(1991)
小山田圭吾も在籍したビロードの中心人物=沖野俊太郎が、当時隆盛だったマンチェスター・ムーヴメントと併走するように結成したバンドの初作。ノイジーなギターとダンサブルなリズム、そして甘美なメロディーがあなたを強烈なサイケデリアへ誘いますよ。

オリジナル・ラヴ 『early complete』 東芝EMI
ジャズやブルースなどを色気のあるポップスに変換したオリジナル・ラヴこと田島貴男は、知性と野性、マスとコアを両立させた渋谷系のヒーロー的存在。“接吻”“月の裏で会いましょう”など、不良性満載のポップスを聴かせる初期作品で、彼の破格ぶりを再確認しましょう。

CLEMENTINE 『アン・プリベ ~東京の休暇』 ソニー(1992)
プロデュースに井出靖、作曲やアレンジにGONTITI、高浪敬太郎、田島貴男、小沢健二が参加した裏定盤。パリのミューズの東京観と日本勢のフランス観が出会い、エキゾティックかつヴァカンス感たっぷりの作品となっています。渋谷系の生んだ最良のフレンチ・ポップ集。

ピチカート・ファイヴ 『BOSSA NOVA 2001』 トライアド(1993)
80年末より高品質なポップスを提示してきた小西康陽が、野宮真貴と出会った瞬間の記録的なビッグバン! TVCMソングとしてブレイクした“スウィート・ソウル・レヴュー”を収録した本作。小山田圭吾共同プロデュースによる華やかな雰囲気こそ渋谷系です。

小沢健二 『LIFE』 東芝EMI(1994)
よしもとばななが〈悲しい作品〉と評するのもわかる、闇を太陽の光で照らし出そうとするようにひたすらアッパーでキャッチーなセカンド・アルバム。スチャダラパーとの“今夜はブギーバック”をはじめ全曲永遠のクラシックです。本作後には紅白に出場しちゃう王子様は渋谷系のピークを体現。