II それでは実際に聴いてみよう!
HARPERS BIZARRE 『Feelin' Groovy』 Warner Bros.(1967)
日本で初めて〈ソフト・ロック〉という言葉が使われたのは、本作の帯にある〈ソフト・ロックの王者〉というフレーズだった。レニー・ワロンカーによる指揮のもと、ヴァン・ダイク・パークスやランディ・ニューマンが腕を振るった〈バーバンク・サウンド〉の名品だ。
ROGER NICHOLS & THE SMALL CIRCLE OF FRIENDS 『Roger Nichols & the Small Circle of Friends』 A&M(1967)
これぞソフト・ロックのバイブル! 超名曲“Love So Fine”に、ビートルズやキャロル・キングの洒脱なカヴァーなど、〈渋谷系〉の原型とも取れるサウンドがこれでもかと詰まっている。
SERGIO MENDES & BRASIL '66 『Fool On The Hill』 A&M(1968)
ソフト・ロックの発展にはブラジル音楽も欠かせない。その最大の功労者がセルジオ・メンデスだ。ビートルズやサイモン&ガーファンクルの楽曲をA&M印の優雅なサウンドに乗せてカヴァーし、ブラジル音楽との相性の良さを体現してみせた。
THE FREE DESIGN 『Kites Are Fun』 Light In The Attic(1967)
デビュー作ながら、流麗な男女コーラスに気品溢れる緻密なアレンジなど、世間がソフト・ロックに対して抱くイメージにもっとも近いサウンドが溢れ、驚異のクォリティーで展開されている。プロデュースはイージー・リスニング界の奇才、イノック・ライト。
THE MILLENNIUM 『Begin』 Columbia(1968)
数ある60'sポップ作品の中でもサウンドの革新性においてはNo.1! 風通し抜群なメロディーの素晴らしさもさることながら、何と言っても中心人物のカート・ベッチャーが8トラック・レコーダー2台を駆使して作り上げたドリーミーにして斬新な音響世界が衝撃的だ。
HERB ALPERT & THE TIJUANA BRASS 『Herb Alpert's Ninth』 A&M/Shout! Factory(1967)
A&Mの創始者でもあるトランペット奏者、ハーブ・アルパートがビートルズやロジャー・ニコルズのカヴァーに挑んだ後期の作品。ジャズとポップスの橋渡し役として彼がソフト・ロック界に与えた影響は絶大。