Ⅱ それでは実際に聴いてみよう! その2
MTUME 『Juicy Fruit』 Epic(1983)
マイルス・デイヴィスのファンク期を支えたジェイムズ・エムトゥーメイが率いるユニットの大傑作。最小限の音数で至上のエロティシズムを醸造した表題曲は808のメロウネスを極限まで引き出した好例だ。タワサ・エイジーの可憐なヴォーカルもアーバンな出逢いを何度となく演出してくれる。
KLEER 『Intimate Connection』 Atlantic(1984)

ブラコン期の職人では、クール&ザ・ギャングを蘇生させたエウミール・デオダートも忘れちゃいけない。このクリーアの6作目も彼の魔法がかかった作品のひとつで、サンプリング頻度の高さで知られる表題曲など、キャッチーで風通しのいい名品が洒落っ気たっぷりに並んでいるぞ。
FREDDIE JACKSON 『Rock Me Tonight』 Capitol(1985)

〈ブラコン最大のスター〉という称号は彼に進呈しよう。マーヴィンの“Sexual Healing”を模倣した表題曲や“You Are My Lady”など、一世を風靡したハッシュ軍団のまろやかなバッキングとスマートな歌声は悶絶級のマッチング。近作も素晴らしいので各自調査するように!
MAURICE WHITE 『Maurice White』 Columbia(1985)
アース・ウィンド&ファイアの首領による唯一のソロ作。ブラコン的な優先作ではないけど、ブラ魂全開なジャケが圧倒的! 軽快な電子ファンクの“Switch On Your Radio”など若ぶった80's路線が楽しい一方、切ないバラード“I Need You”には普遍的な泣きメロが宿る。
ALEXANDER O'NEAL 『Hearsay』 Tabu(1987)
ジャム&ルイスの躍進期を象徴する一枚にして、80年代屈指のシンガーがロマンティック・ムードを全身から放出した超濃密なラヴ・アルバムだ。シェレールとの麗しいデュエット“Never Knew Love Like This”をBGMに女性を口説いてダメだった者は……自分の魅力のなさを呪え。
SURFACE 『Surface』 Columbia(1987)

洗練されたミッドやスロウを主体とする〈クワイエット・ストーム〉系アクトとして最大の成功を収めたのがこのトリオ。テクノロジーに温もりを吹き込み、澄み切ったハーモニーと融和させた透明感のあるオトナな音世界は唯一無二! この処女作では定番ネタとなった“Happy”が聴きものだ。