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第3回 ─ 倖田來未“You/Sweet Kiss”をチアー&ジャッジ

連載
菊地成孔のチアー&ジャッジ ―― 全ブロガー 参加型・批評実験ショー
公開
2005/12/08   17:00
更新
2005/12/08   21:21
テキスト
文/菊地 成孔

ご好評のうちに終了した「CDは株券ではない」に引き続きbounce.comでスタートした音楽批評実験「菊地成孔のチアー&ジャッジ~全ブロガー参加型・批評実験ショー」。菊地成孔が1つの楽曲に対し、〈大絶賛〉と〈酷評〉の2つのレビューを書き、「その2つのどちらが優れているのか?」を読者の皆さんのトラックバックによって決める。という、ブロガー参加が前提の実験場です。第3回目は倖田來未の“You/Sweet Kiss”。皆様の参加をお待ちしております!

 まーさー、〈国防省〉が〈国防庁〉になんのはまだ良いとしても〈自衛軍〉って~微妙じゃない? 意味的によくわかんないしさ~。それに何か〈自営軍〉みたいなさ~。自分たちで好きにやってる人みたいじゃないか。頑張りながら。ジャッジだろやっぱ。ね? だから俺、いろいろ考えたんだけどさ~。一個すげ良いのがひらめいたんだよ。これクール絶対クール。絶対チアーよ。えーとね。〈日本軍〉って言うんだけどさ。

 どう?どう?〈新日本軍〉っていう案も出たんだけど、それだとプロレスになっちゃうから。どうこれ?これ良くな~い? 良くなくな~い? 良くなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなく……あれこれ何回だったっけ? まいっか。だよねーだよねー。とにかくさ、服とか言葉とかが全部カッコ良くないとダメだからねファシズ……うわっっと! 独り言聞かれたよっヤッベ!!! ひゃーすみません。もう始まっていたか。ワタクシの一日の中の唯一の楽しみである、程度の低い社会風刺の時間(便座の上で座禅を組みながら独り言)に入ってくるなんて流石bounce.comであります!ノーミュージック・ノーライフキング!(いとうせいこうの小説です。読んだことあります?)

 え~。では気を取り直して参りましょう。世界初のチア&ジアッジ・メン、深夜のお友達。歌舞伎町の住人。菊地成孔です。馬用ステロイドをバンバンに注射して気合い満点!な当コーナーですが、2回目にしてトラバ投票が半分に落ちてしまいました(笑)! 19って! 若者じゃない! アンチエイジングでマイナス10歳したら九つの坊やー! がっくし~。やっぱ敷居が高いのか……それともやっぱ投票したところで面白いこと何もないからなのか(禁句・笑)……いやいやそんなことはない! 皆様もっとお気軽に、通りすがりにバンバン投票してくださって結構ですよ! 選挙じゃないんだから!! ……ってか、やっぱ投票率あげるのって大変なんだな~。ハッ(気が付いた音)。前の連載が経済を扱っていたから、この連載は政治と言うことなのかな……全然考えてなかった。うっわ~。オヨー。ジエーグーン(ラップ風に)。

 というわけで、投票数は2回目で激減してしまいましたが今回も頑張って参りますよ~。当連載の主旨とルールはコチラ! 全世界のトラックバッカーの皆様! 今回も宜しく御願いしマース!

〈結果発表〉※前回のチアー&ジャッジはこちら
・チアー
既聴:7
未聴:3
得点:7+(0.5×3)=8.5

・ジャッジ
既聴:4
未聴:5
得点:4+(0.5×5)=6.5

 うひょー、第2回は2ポイント差でチアーでした!

  勿論これは山下達郎さんのシングルが絶対的な称賛に値するものだという決定的な証拠でも何でもありません。しつこいようですが当連載の主旨とルールはコチラ!

 というわけで投票頂いた皆様そして山下達郎さんに感謝致します。これからも人類は山下さんをチアーしたりジャッジしたりしながら繁栄して行くことでしょう!

〈二回目のVO&BPゲッター発表〉
*VOとBP制に関してはコチラ

 〈数が半減したが内容が2倍濃くなった〉感のある第2回ですが、ワタクシの希望としましては「全トラックバッカーが、全トラックバックを読む(と面白さ際立つ)」という事ですので、100個とかになるよりも20個ぐらいが手軽で丁度良いのかしらん。等とも思ってしまうのですがどうでしょうか? え? 100個になっても読む人は読むし、2個でも読まない人は読まないって(笑)。そりゃそうですね(笑)。

 とはいえ皆様! 本当に全部面白いですよ! 二つのテキストからこんなに極端な反応が出るとわ! 読まないのもったいない! 本当に! 全部読んでいるウチに「世の中にはいろんな考えの人がいるんだなあ~。何か素晴らしいなあ~。平和って素晴らしいなあ~」と、妙に暖かい気持ちになってきます!(笑・ホントかよ)

 というわけで第2回の総評を行ってみましょう。

 先ずVOは

 1)シングルはともかく、アルバム『ソノリテ』は〈国産車のCMソング集〉ではない(ジャッジより)

 2)曲間は4秒ではなく約3秒(チアーより)

 3)〈YOU ARE MY LUCKY GIRL FOR ME〉の〈MY〉は、まあ、決して誉められはしないけれども、文法的に絶対間違いと言うほどのことではない(チアーより)

 という、元も子もないようなガラガラ空きの3点でした。

 (1)は少々ひっかけ気味に配置(シングルこそ国産車タイアップですが、アルバムは国産車には留まらず、実際には〈いろんなタイアップ〉です)、(2)はマニアックに計測する人が出たら面白いな、(3)は「あなた〈英語でしゃべらナイト〉に出てたじゃないですか。あそこの〈MY〉はあってもそんなにおかしくはないですよ!」というツッコミを期待してのものでした(笑・その時は「だからしゃべれないのに出たんですよ! 番組で言ったじゃない! カタコトが良いんだって! 山下達郎だってカタコトなんですよこれこの通り!!」と返す予定だったのですが)が、(1)に対するご指摘が数多くありました。

 というわけでVO指摘ポイントは中井佑治のムーンシャイナーさんまぁたんの馬場育三リスペクトさんに各々2BP、ミュージック・トレジャー・ボックスさんTHE PEOPLE'S MUSIC BLOGさんは〈消極的指摘〉ということで1BPを差し上げます。そして最も〈読ませる指摘〉は、初BPを獲得したサイコロさんのものでした↓

 ご指摘の中で、「この、国産車の宣伝広告のために作られた楽曲ばかりを中心に掻き集めたアルバム」とありますが、文字通り、国産車の宣伝に使用された曲は3曲のみです。“Forever Mine”は映画、“太陽のえくぼ”は(そのタイトルからも明らかなように)「めざましテレビ」のために作られたのをはじめ、アルバムのほとんどの曲についているタイアップは、国産車の宣伝広告以外のタイアップです。ただ、実際には〈国産車の宣伝広告のために〉使われていなくても、その〈マインド〉としてそうなんだと言われると、それは否定できません。しかし、それはポップというジャンル自体が国産車の宣伝広告に合うというマインドを持っているため、非難されるべき点ではないと思います。

  実に仰るとおりで御座います。〈国産車の宣伝広告に合わないポップス〉という想像(または実験。国産車CMを音消しで流して、いろんなポップスをかける)をしてみましょう。それはどんな音楽でしょうか? これを考えることが〈国産のポップスとは何か?(乃至、国産のロックとは何か?国産のハウスとは何か?といった)〉という根元的な問いへの有効な一手になることは間違いないでしょう。サイコロさんには3BPを差し上げると同時に、サイコロさんが自主的に企画した「賭博(トラックバック。という言葉へのオヤジギャグなのか! 絶対違う!)制度」を急遽そのまま採用し(笑)、4BP×チアーに大当たりで、倍付けの8BP、合わせて11BPを差し上げます。これはルールに付け加えましょう。〈BPは勝敗に賭ける事が出来、当たると倍になる〉ということで。

 さて、VO指摘以外でのBPゲットは楳図かずお先生の引用がポップアート!な経日エンタテインメント!さんに1BP、ギリギリまでロマンチックに誉めておいて、最後にジャッジに入れる。というサディスティックな技が決まった赤・黒・赤・黒(以下略)さんに2BP、プロフェッショナルな批評力を見せてくださったペダンチック街道さんに5BPを差し上げます!(実際は7BPに匹敵する筆力でしたが、どういうわけだか縦書きで、非常に読みずらいので・笑・マイナス2BPとさせて頂きます。すみません)

 また、これはVOではないのですが、「指摘してくんないかな~?」と思ってやった〈先行/後攻〉に関する記述があったミュージック・トレジャー・ボックスさんにさらに2BPを。↓

 話はそれるけど今回チアー&ジャッジなのにジャッジの批評から先に書いてあったことは何か意図があるのかなぁ?

 意図はないんですけど、ほら、マンガの「美味しんぼ」とかで……って、例えが古すぎますが(笑)〈必ず先に出した方が負ける〉みたいな法則有るじゃないですか(笑)今のところそうなってるんですよね。勿論コレは僕が仕掛けられることではないので偶然なんですけどね~。

 また、「菊地さんの本心を当てる連載じゃないのかな?」君は僕のアンダーウエアさん「チア&ジャッジされても、どっちもそれほど言われるほどの音楽だと思えない」全日本天才協会さん)といったお声がありましたが~(笑)、しつこいようですが当連載の主旨とルールはコチラ! 僕が「どひゃ~コレ最高~」と思っても「うわ~コレ最低~」と思っても、それこそ「誉めたり貶したりするほどのモンじゃないだろこれ~。何も感じないよ~。どっちでもいいやこんなの~」と思ったとしても(選曲は僕ではなく編集部です)、毎回絶賛と酷評を書いて、その良否を問うてみる。というのが、批評実験としてのこの連載の主旨ですので(笑)そゆことでよろしく御願い致しマース(何せ、聴かないでも投票できちゃうんだからね!笑)。

 というわけで、今後とも活発なトラックバックを宜しく御願い致します! これはあくまでゲームですから楽しくお気軽にどうぞ!
 
 それでは第3回を開始します!! チア~・ア~ンド・ジャ~ッジ!!