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第3回 ─ ファストコア

NAPALM DEATH 〈ファストコア〉にとって外すことができない神速の帝王、ナパーム・デスがニュー・アルバムを発表!!

連載
DESTROYER OF STEREOTYPE
公開
2005/04/21   10:00
更新
2005/04/21   19:41
ソース
『bounce』 263号(2005/3/25)
テキスト
文/加賀 龍一


 キミは世界で一番〈速くて短い音楽〉を知っているか? 現在でこそ最速/最短に関する説はさまざまであるが、その源流にして絶対王者、ナパーム・デスの存在は決して無視することはできないだろう。

 現在ではグラインド・コアの始祖にして、エクストリーム・ミュージック・シーンの帝王と呼ばれる彼らだが、それは初期作における〈超速主義〉に起因している。80年代中盤、USでは現アンスラックスのスコット・イアンとチャーリー・ベナンテ率いるS.O.D.などが〈速さ〉に特化したシーンを形成していたが、海を隔てたUKでもナパーム・デスによるエクストリームなシーンが形成されようとしていた。87年のデビュー・アルバム『Scum』(28曲入り33分!)では、暴虐と神速の瞬間芸ともいえる驚愕の世界を展開。同作にはTV番組「トリビアの泉」でも紹介されたことのある、たった1秒の歴史的名曲“You Suffer”などの極限チューンが収録されていた。猟奇的ですらあるヴォーカル・スタイルとリスナーの耳に五寸釘をねじ込むがごときギター・サウンド、そして、ミック・ハリスの身体を心配してしまいたくなる超絶ドラムと、〈頭突き・金的・目潰し、なんでもアリ〉のバーリトゥード以上の残虐ファイト、つまり〈ファストコア〉というスタイルを完成させていたのである。余談だが、当時最速を誇っていたスレイヤーの速度を数値化すると210BPMあたりであるが、対するナパーム・デスの瞬間最大速度は約670BPM(!!)と言われており、もはや驚愕を通り越して笑えてしまう。しかし、それほどまでに突き抜けた存在なのである。

 その後、幾度となくメンバーチェンジを繰り返し、サウンド面でもグラインド/ファストの枠に囚われない音楽的展開を見せていったナパーム・デスであるが、本隊以外でもかつてのメンバーだったリー・ドリアンがドゥーム・バンド、カテドラルを結成し、ギターのビル・スティアがカーカスにおいて猟奇的グラインド・コアを出発点とした〈叙情デス〉というスタイルを発明するなど、シーンにさまざまな形で影響を与えている。また同様に、A×C×~ピッグ・デストロイヤーやコンヴァージ、ディリンジャー・エスケイプ・プランといった現代エクストリーム・ミュージック・バンドの礎としての影響も計り知れない。それもすべて、彼らがデビュー当時から歩んできた残虐極まりない〈ファスト〉で〈ハードコア〉な魑魅魍魎サウンドの追求があったからこそである。そしてまた、ニュー・アルバム『Code Is Red...Long Live The Code』においても、元カーカスのジェフ・ウォーカー、元デッド・ケネディーズのジェロ・ビアフラ、ヘイトブリードのジェイミー・ジャスタが集うという豪華っぷり。そして4月には待望の来日も控えており、帝王による刹那的かつ筋書き皆無の行軍は、神速のスピードで突き進むのである。
▼ナパーム・デスのアルバムを紹介。

▼参加ゲストの近作を紹介。

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