BIM SHERMAN 『Across The Red Sea』 ON-U/BEAT(1981) ON-U最強のヴォーカリスト、故ビム・シャーマンのルーツ・ダブ最高傑作。参加アーティストはダブ・シンジケートのスタイル・スコット、スライ&ロビー、チナ・スミス、クリエイション・レベルなどなど、強力すぎるメンツがバックを固めた痛烈な一品。(冨田)
BLACKBEARD 『I Wah Dub』 Mango(1980) ダブとパンクのパイプ役を務め、両フィールドにおいて優れた仕事を残してきたデニス・ボーヴェル(=ブラックベアード)。70年代中盤にはマトゥンビを率いて活躍した彼のこの代表作は、UKならではの硬質な音作りとキテレツなダブ・エフェクトが青白い火花を散らす傑作。(大石)
CREATION REBEL 『Starship Africa』 4D Rhythms/BEAT(1980) 前作のリズムを一新させ、ボトムをより重く、サウンドをアヴァンギャルドに実験調理したのが今作。〈UKダブ至高の名盤〉と呼ばれ、エイドリアン・シャーウッド・サウンドの原点ともいえる作品。この音にパンクスもズッポリやられたってわけ!(冨田)
THE FLYING LIZARDS 『The Secret Dub Life Of The Flying Lizards』 Mister E ディス・ヒートやマイケル・ナイマンなどのプロデューサーとしても有名なデヴィッド・カニンガムによる宅録ユニットの編集盤。ルールを一切無視した(スネアはダンボール箱)チープで大胆な貼り付け作業にはあきらかにダブの影響が!(久保)
JAH SHAKA 『Far-I Ship Dub』 Shaka(1992) 失神者も続出するという爆音サウンドシステムを保有し、完全打ち込みのデジタル・ダブで〈ニュー・ルーツ〉ムーヴメントを牽引してきたカリスマ、ジャー・シャカ。この氷点下のハードコア・スタイルもまたUKならでは。このレーベルの音源はすべてマストですよ。(大石)
LINTON KWESI JOHNSON 『LKJ In Dub』 Mango(1980) 詩人/ジャーナリストしても活動し、現在も絶大な人気を誇るダブ・ポエットの名作2作をデニス・ボーヴェルがダブ化した、定番にして名盤。UKでしか生まれ得なかった冷ややかな質感のレベル・ミュージックが、時代を超えて聴く者を撃つ。(大石)
MARK STEWART & MAFFIA 『Learning To Cope With Cowardice』 ON-U/BEAT(1983) ポップ・グループ解散後に発表されたマーク・スチュワート初のソロ作。盟友クリエイション・レベルの面々も含む〈マフィア〉を従えた切れ味だらけの音塊は、怒号と暴力的空間処理をもって不条理な現実をも過激にカットアップ!(久保)
THE NEW AGE STEPPERS 『The New Age Steppers』 ON-U/BEAT(1980) ON-Uの記念すべき第1弾にして、オールスターズによる宇宙行きのパンキー・レゲエ・パーティー。エイドリアン・シャーウッドが仕切るのは、ポップ・グループ、スリッツ、レインコーツの面々だからもう大変! トビまくっております。(久保)
PRINCE FAR I 『Cry Tuff Dub Encounter Chapter 3』 Pressure Sounds 好き嫌いがハッキリ分かれるほどの特徴的な歌い口を特徴とするジャマイカンDJが、70年代後半~80年代前半にON-U一派と残した音源をコンパイルしたもの。モロにON-Uなトラックの上でヤリタイ放題ブチかますその話芸はあまりにも強烈&濃厚。(大石)
PUBLIC IMAGE LIMITED 『Metal Box』 Virgin(1979) セックス・ピストルズを脱退したジョン・ライドンが当時もっとも先鋭的な手法だったダブに接近し、彼流の方法論で生み出したセカンド・アルバム。内臓をえぐるような極太ベースとタイトなリズムに乗せて、ジョンがプリミティヴに咆哮する。この緊張感が怖い!(冨田)
RUTS DC vs. MAD PROFESSOR vs. ZION TRAIN 『Rhythm Collision 』 Select Cuts ニューウェイヴ/パンク・バンド、ラッツDCの音源をマッド教授とザイオン・トレインがダブ化した2枚組異種格闘技盤。スキルフルなマッド盤、ミスティックなザイオン盤と、2枚併せてUKダブの神髄を聴くことができるお徳盤。(大石)
VARIOUS ARTISTS 『Wild Dub - Dread Meets Punk Rocker』 Select Cuts 77~81年あたりに生まれた、内臓をズタボロにブッ潰すパンクス meets ダブ曲を詰め込んだ名コンピ。ラッツDC、クラッシュ、スリッツ、ポップ・グループなど、レゲエ/ダブがニューウェイヴにどれほどの衝撃を与えたかが丸わかりの一枚。(冨田)