フアナ・モリーナの登場以降、俄然注目を集めはじめたアルゼンチンの音楽シーン。だが、彼の地にはまだまだ未知の音楽が溢れている。最近の注目作を中心に、その魅力に触れてみよう!!
マニア向けの感もあったアルゼンチンのポピュラー音楽=MPAが、このところ盛り上がりを見せている。なかでも注目すべきはフォークトロニカの歌姫=フアナ・モリーナが、デヴィッド・バーンの欧米ツアーの前座として同行し、6月にはカーネギー・ホールのステージに上がったこと。彼女の音楽を支えてきたマルチ奏者のアレハンドロ・フラノフも青柳拓次のソロ・ユニット=KAMA AINAの最新作『TWO FINGERS』に参加するなど、活動の幅を広げている。
このように活性化するMPAシーンにおいて、もっとも活発な動きは南米の民族音楽=フォルクローレと新しい音楽の融合だ。現在メキシコを拠点とするラテン・ロックの重鎮、グスタヴォ・サンタオラヤは先住民から伝承した土着的リズムにヨーロッパから持ち込まれた楽器や旋律を融合したフォルクローレとロックの融合をかねてから実践していたひとりだが、彼が手掛けた映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」のスコアはその結晶といえる。同様に海外で活躍する人物としては、ブラジル音楽界で勢力を拡大している打楽器奏者のハミロ・ムソットがおり、彼らがMPAに与えた影響も大きい。国際交流を経ていくつもの刺激を受けたMPAはさらに多様化している。そんなフォルクローレ精神を持ちつつアルゼンチンのシーンは発展していくのだ。
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介。