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第4回 ─ 〈FUJI ROCK FESTIVAL〉予習ディスク・ガイド

第4回 ─ 〈FUJI ROCK FESTIVAL〉予習ディスク・ガイド(2)

連載
オレらの 夏 フ ェ ス 予習・復習帳 04
公開
2004/07/22   19:00
更新
2004/09/24   19:53
ソース
『bounce』 999号(0/0/0)
テキスト
文/bounce.com編集部

8月1日(土)に出演するアーティストの作品を紹介

DONAVON FRANKENREITER
『DONAVON FRANKENREITER』
BRUSHFIRE RECORDS(2004)

  ドノヴァン・フランケンレイターが待望のメジャー・デビュー。今作にはG・ラヴやジャック・ジョンソンが参加しているほか、あのトップ・サーファー、ロブ・マチャドもギターでサポート。彼らの笑い声まで聴こえてきそうな愛に溢れた作品です。日常的な感動を拾い集めた彼の音は、ラフだからこそ常に傍らに置いておきたくなるもの。アコースティックなサーフ音楽が大ブレイク中ですが、なかでもこれはかなりの秀作です。(山西 絵美 / 2004/05/25掲載)

JACK JOHNSON
『Thicker Than Water』
ユニバーサル(2004)

  ジャック・ジョンソンが監督したサーフィン・ムーヴィーのサントラ。というわけで、当然ジャックのナンバーも4曲収録されていて、なかでも盟友、Gラヴとのデュエットは貴重。ほかにもフィンリー・クウェイやスモーク・シティ、クラシックスではミーターズにハーパーズ・ビザールとリラクシンなナンバーがズラリ。美しい写真がレイアウトされたブックレットをのんびり眺めながら、極上の休日を。(村尾 泰郎 / 2004/02/25掲載)

BUFFALO DAUGHTER
『Pshychic』
V2レコード(2003)

  セカンドEP『amoebae sound system』とファースト・アルバムにも入っており、またライヴでもお馴染みの“li303ve”が“303 Live”というタイトルで新たに収録されているのが意外な目玉。メビウス/コニー・プランク/マニ・ノイマイヤー『Zero Set』やマニュエル・ゲッチング『E-2 E-4』といった83年のドイツに降り注いだ奇跡テクノのパウダーが、今頃になってこんなところにどっさり降ってきた?!という感慨すら覚えます。『New Rock』の頃よりもはるかに足どりの軽くなった、規則正しく繰り出される疾走の跡が、曇り空の雪原にくっきりと残されているのをわれわれリスナーは発見し、姿の見えない彼らをひたすら追い続けるハンターのような面持ちでこのアルバムを聴くのでしょう。真っ白な雪原をひたすら滑空し、地面スレスレから一気に地平線まで上昇する空撮映像に、この音を乗せたら……どんなに気持ちがいいことか。(松戸 与三 / 2003/09/25掲載)

ESKOBAR
『A Thousand Last Chances』
DefSTAR(2004)

  ヘザー・ノヴァとの“Someone New”、TVCMに起用された“Into Space”で、その名を広めたスウェーデンの3ピース・バンドによる待望の新作。ほど良く抑制の効いたヴォーカルと異常にポップなメロディー。昨今のギター・ロックに目配せした巧みなプロダクションは当地の伝統なのか、当然今作も秀作です。音楽に対する彼らの生真面目さが、こんなにも清冽な印象を与えるのか? エゴを超えて、ポップの魔法に殉じる潔さ。(木村 優宏 / 2004/06/25掲載)

MO’SOME TONEBENDER
『TRIGGER HAPPY』
パルコ(2003)

  モーサム・トーンベンダーのニュー・アルバムはとんでもないことになっている。今までのシーンの常識やセオリーなんかをブチ壊し、ポスト・パンク的な音楽的アプローチで、さらに独自の解釈で表現。激情と冷静、狂気と正気が危ういところで綱渡りしている。日本でいま、この音が出せるのは彼らくらいだろう。近ごろ刺激が足りない、そこのあなた。間違いなくハマります。これが衝撃の問題作!! 日本のシーンを占う必聴盤。(大下内 学 / 2003/11/25掲載)

The Mooney Suzuki
『Electric Sweat』
Columbia(2003)

  カンのヴォーカリストの名前を引用したムーニー・スズキのメジャー・デビュー・アルバム。60年代のビート・ミュージックを彷彿とさせるスタイルに、ブルースやモッズ、パンクなどを刺激的にミックス。明瞭かつストレートなそのサウンドは、数多くのライヴ・パフォーマンスによって、さらなる高みへと昇華され、今後彼らの一時代が築かれるであろうことは容易に想像できる。まずは〈電気汁〉にまみれてみては。(アダモ 鈴木 / 2003/05/25掲載)

ゆらゆら帝国
『な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』
ミディ/クリエイティブ(2003)

  隠し撮りテープのように録音レベルをオーヴァーして潰れちゃってるような轟音&爆音サウンドが激痛快な、ゆらゆら帝国最強&最狂のライヴ盤。今春に2枚同時リリースされた『ゆらゆら帝国のしびれ』『ゆらゆら帝国のめまい』で作り込まれていた曲の数々が、ここでは衣装を引き剥がされて裸の姿をさらけ出している。フィードバック・ギターが荒れ狂い、リヴァーブやディレイがかけられた音がサイケデリックに時空をねじ曲げる。〈めまい〉では女性や子供に歌わせていたメランコリックな曲も、坂本慎太郎の憂いを帯びた妖怪ヴォイスで歌われると迫力&説得力が倍増。破壊的で凶暴なノイズの洪水と、やけにスウィートでセンチメンタルな美メロ曲という振り幅の広さは、絶頂期のヴェルヴェット・アンダーグラウンドに並ぶほど。自己をリリース(解放)する量り知れないほどのエネルギーのドキュメント。ひさびさに感動で涙を流しました。 (ダイサク・ジョビン / 2003/11/25掲載)

忌野清志郎
『KING』
ユニバーサルJ(2003)

  俺たちのヒーロー・清志郎、なんと4年ぶりのソロ・アルバム!! プライヴェート・スタジオにて和気あいあいと録音された楽曲は肩肘張らない素朴なものばかり。リズム&ブルースを洗練させたフォーキーなサウンドに、ムーディーな管楽器が艶を与えます。盟友たちと作る潔いまでのアナログ感覚。目新しいことや派手さを競う必要なんてない、清志郎のいちばん良いところを詰め込んだ誠実な作品。野外でのライヴ映像を収録したDVD付き。(鬼頭 隆生 / 2003/11/25掲載)