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第28回 ─ ニュー・ジャック・スウィング

第28回 ─ ニュー・ジャック・スウィング(3)

連載
Discographic  
公開
2004/05/13   13:00
更新
2004/05/13   19:11
ソース
『bounce』 253号(2004/4/25)
テキスト
文/JAM、出嶌 孝次

MICHAEL JACKSON 『Dangerous』 Epic(1991) テディ・ライリーとガップリ四つに組み、堂々NJSブームに参加表明した傑作アルバム。こんなチャレンジをしても、普通にドキドキさせてくれるのがマイケルの凄いところで、弾けたビートに乗せるリズミカルなフロウも流石と言わずとして何と言おう。(JAM)

R. KELLY & THE PUBLIC ANNOUNCEMENT 『Born Into The 90's』 Jive(1992) かつてのR・ケリーは、アーロン・ホールの歌とテディ・ライリーの音を兼備した〈ひとりガイ〉だった。この初アルバムでも、超アッパーな“She's Got That Vibe”、BBD風の“She's Loving Me”などバリバリのNJSナンバーを連発。アルバム後半のスロウ攻めには後のエロ入道の萌芽も。(出嶌)

EXILE 『EXILE ENTERTAINMENT』 cutting edge(2004) NJSには数々のお約束や決まりごとがあるんだけど、それらをことごとく守り、およそ15年前のダイナミズムまでも蘇らせた驚くべき曲が、その名も“New Jack Swing”! プロダクションはT. Kuraで、この人が作るNJSはやっぱり伊達じゃない。天晴れです。(JAM)

GUY 『Guy』 Uptown/MCA(1988) 2パックもメアリーJもマライアもここからネタ使用歴アリ。わずか10日で完成したという、20世紀屈指の名作。チープなシンセとドラム・マシーンでアイデア豊かに編み出されたテディ・ライリーのサウンドと荒々しく歌い込むアーロン・ホールの濃厚なノドが合致した奇跡的な名曲集。出だしの〈Groove Me♪〉だけで何度でも奮い立つ。(出嶌)

BOBBY BROWN 『Don't Be Cruel』 MCA(1988) ボビー本人のみならず、テディ・ライリーの男をも上げるきっかけになったアルバム。ヒットの規模からいってもテディの手掛けた“My Prerogative”はNJSブームの輪郭付けに大いなる貢献をした一曲で、その弾けるような勢いはまさに奇跡級である。強烈。(JAM)

KEITH SWEAT 『Make It Last Forever』 Vintertainment/Elektra(1987)“I Want Her”所収の初アルバム。テディ・ライリーの筆下ろし作で、NJSブームはここから燃え上がりはじめた。でもリリース当時に〈NJS〉という言葉はなく、ただヴィンターテインメントがなぜラップじゃなく歌モノを出すの?という謎が妙に刺激的だった。(JAM)

JOHNNY GILL 『Johnny Gill』 Motown(1990) 邦題は〈ロンリー・ナイト〉。キッズ・シンガーからオトナに転じてのソロ3作目。NJS世代ではないジャム&ルイスの時流咀嚼力はこの頃から光っており、闇雲に疾走する“Rub You The Right Way”に結実。熱い!!(出嶌)


LEVERT 『The Best Of Levert』 Atlantic  あのジェラルド・リヴァートがいた血縁グループのベスト盤で、“Casanova”や“Just Coolin'”のヒットをほぼ網羅。2段上のスウェット、上掲のギルと後にLSGを組むわけで、3人は同期生だったのですね。(出嶌)