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第34回 ─ ラテンの新旧歌姫とマイアミの密接な関係って?

ラティーナたちの首都、マイアミってどんな場所なの?

連載
360°
公開
2003/10/23   12:00
更新
2003/10/23   13:32
ソース
『bounce』 247号(2003/9/25)
テキスト
文/池戸 亨

 マイアミと聞いて何を想像するだろうか? 青い海と輝く太陽、そして高級別荘やホテルが立ち並ぶマイアミ・ビーチ? それとも麻薬、殺人、売春などマフィアが絡む極悪犯罪に立ち向かうマイアミ・バイス? フロリダ半島最大の都市で世界最高の楽園マイアミは、観光地特有の表と裏の顔がNYやLA同様にはっきりと分かれている。そしてもうひとつ、ラテン・アメリカの南の玄関口として、政治、経済面だけではなくスポーツや音楽などの面でも重要な役割を果たしてきた。

 マイアミは亡命キューバ人による〈アメリカ的キューバ〉である。リトル・ハバナ(ハバナはキューバの首都)というキューバ人街があり、そこのメイン・ストリートのひとつである8番街では毎年3月になると〈Calle8〉(カジェ・オーチョ:〈8番街〉の意)という一大ラテン・フェスティヴァルが数日間に渡り開催され、キューバ以外の地域から集まった人気アーティストが勢揃いして熱狂的な盛り上がりを見せる。そして、合わせてリリースされる、イヴェント名を冠したコンピ(サルサ、メレンゲ、ポップス編など数種類がリリースされる)も人気だ。また、ソニー、ワーナー、ヴァージンなど大手レコード会社におけるラテン部門の中枢機関がマイアミに集中しており、全世界へと情報を発信している。さらには先頃行われたラテン・グラミー賞などのアワードや業界コンヴェンションなどの開催地であることも、この地をラテン色に染めている一因といえるだろう。