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第1回 ─ 郷愁のアメリカン・スタンダード・ポップス

第1回 ─ 郷愁のアメリカン・スタンダード・ポップス(2)

連載
鈴木惣一朗の貝がらラジオ
公開
2003/05/15   13:00
更新
2003/05/15   17:48
テキスト
文/bounce編集部

そしてこういったことを海の向こうのイギリスでも感じていたアーティストがいました。彼の名はリンゴ・スター。ビートルズのドラマーにしてシャレた人なんですが、彼がホーギーの生きた時代に捧げたスタンダード・カヴァー集『Sentimental Journey』より“Stardust”をお聴き下さい♪

本作はいわゆる〈ウィズ・ストリングスもの〉と呼ばれ、オーケストラをバックにシンガーが歌い上げる企画もの。でも、それを悪声と言われていたリンゴが、いろんなアレンジャー――オリヴァー・ネルソンやクインシー・ジョーンズ、ポール・マッカートニー(笑)などを迎えた、ってとこに彼のオシャレぶりが窺えるんです。こうした1920~40年代の〈古き良きアメリカ〉を、新鮮な音楽として捉える現象が70年代には始まっていて、リンゴの友人、ハリー・ニルソンもスタンダード集『A Little Touch Of Schmilsson In The Night』を発表します。ではそこから“Always”をどうぞ♪

この曲を書いたアーヴィング・バーリンのヒット曲“White Christmas”やホーギーの“Stardust”といった〈ポップス〉は、当時クラシックみたいな格式ある分野からは軽く見られていたんです。でも何十年もたった今では、ラベルやドビュッシーといったクラシックの作曲家と、ホーギー・カーマイケルやジョージ・ガーシュインといった作曲家も同じ括りで愛されているのはみなさんご存知のとおり。その影響も広い範囲に渡っていて、例えばホーギーの“Hongkong Blues”なんかはマーティン・デニーや細野晴臣といったアーティストがユニークなカヴァーを聴かせてくれています。