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第1回 ─ 郷愁のアメリカン・スタンダード・ポップス

連載
鈴木惣一朗の貝がらラジオ
公開
2003/05/15   13:00
更新
2003/05/15   17:48
テキスト
文/bounce編集部

DJに鈴木惣一朗を迎えて誌上ラジオ番組が〈放送開始〉! 第1回は嬉し懐かしアメリカン・ポップスのふるさとを訪問!!

みなさんこんにちは。〈貝がらラジオ〉のお時間です。かつては敬遠されてた古い音楽ですが、最近では若いリスナーも偏見なく手にとって聴く機会が増えました。この番組では、そんなみなさんにいろんなグッドタイム・ミュージックを紹介していこうと思ってます。貝がらって耳にあてると潮騒が聞こえるって言いますよね。ここに紹介する音楽もその潮騒みたいに懐かしくて素敵なものばかりなんです。そんなわけで記念すべき第1回はアメリカン・スタンダード・ポップスの世界をご紹介。ではまず〈スタンダード・ポップス〉といえばこの人、ホーギー・カーマイケルの珍しい音源を集めた『The Stardust Road』をお聴き下さい♪

ホーギー・カーマイケルは1899年にインディアナ州ブルーミントンに生まれ、1930~40年代に活躍した作曲家です。ジョージ・ガーシュインやコール・ポーターと並んでアメリカン・ポップスの基本を作った人として紹介されることが多いのですが、この2人がジャズをベースにしたスマートな音楽だったのに比べ、ホーギーは田舎くさくて、ちょっとモンドで、キュートな魅力もあって……と、なんだか捉えにくい作曲家でした。でもそういったところが彼の魅力で、僕はそれを〈ポップな感覚〉だと思っています。ジャズでもクラシックでもない、オリジナルな音楽。それがまさに〈ポップス〉であり、20世紀最初のシンガー・ソングライターとしてホーギーの歌は、後のバーバンク・サウンド、ランディー・ニューマン、ヴァン・ダイク・パークスなんかへと継承されていくわけです。では、そういった継承者のひとり、ジョン・サイモンがホーギーへのトリビュート盤として制作した『HOAGYLAND』より、“Heart And Soul”をどうぞ♪

このアルバムは、ジョン・サイモンがベアズヴィル周辺のアーティストのジェフ・マルダーやハース・マルティネスらを招いてホーギーに捧げた楽しいオムニバス作品です。で、なぜホーギーなのかというと、彼がいなければ参加アーティストやザ・バンドのサウンドは生まれなかった、ということへのリスペクトなんですね。みんなそれを自覚してたんです。