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第14回 ─ HYDRA HEAD

レーベル・ディスク・ガイド(2)──ハイドラ・ヘッド、とっておきの10枚をご紹介!!

連載
U.S. LABEL GUIDE
公開
2002/07/18   00:00
更新
2002/07/22   16:40
ソース
『bounce』 233号(2002/6/25)
テキスト
文/小林 英樹、斎郷 哲

CAVE IN
『Jupiter』1999

もともとはスレイヤーあたりに通ずるような、スラッシュ~メタリックなアプローチの強かった彼らがこの作品で見せたのは、宇宙をイメージさせるほどの壮大な世界観。表面的なサウンドの変化について言うならば、それは〈進化〉や〈成熟〉なのかもしれない。しかし、そんなありきたりな表現では言い表せないほどの説得力と魅力に溢れているのも事実。なぜならば、これこそが正真正銘のリアリズムのカタチだからだ。(斎郷)

HARKONEN
『The Grizz』2001

ボッチが消えたら、彼らがシアトルから登場しました。今作はミニ・アルバムだけど、マジで将来有望なスメルがビシビシ。轟音ジャンク~ストーナー・スタイルと、緩やかなプログレッシヴ・サウンドが変展開している。しかも鋭角的なハードコア魂がたっぷり。さらにトボけたアナログ・シンセがピロピロ~とか。MC5~ストゥージズ~ブラック・フラッグ~メルヴィンズ~マッドハニー~カープまでのラインがナチュラルに合体。フル・アルバムに大期待!(小林)

CAVITY
『On The Lam』2001

バクテリア・ソアー、マンズ・ルインあたりからもリリースしていたフロリダの轟音バンドもこちらに移籍してまいりました。〈轟音〉といっても、こちらはVery Veryなブラック・サバス・スタイル。このあたりからもハイドラ・ヘッドの柔軟性を感じさせるわけです。粘っこい重厚グルーヴで、長髪振り乱しての図がジワジワと脳みそを占領。メルヴィンズからフー・マンチュー、そして東京のBORISあたりのファンの方なら絶対失禁即倒宇宙へ。(小林)

CABLE
『Northern Failures』2001

一般的にドッグハウスというと、初期ゲット・アップ・キッズでお馴染みの〈エモ・レーベル〉ってな感じなのでしょうが、最初は結構イタイのを輩出していたんですね。実はこのセントルイスのバンドも所属してたわけです。このジャンクぶりはどうだ!発狂ヴォーカルとひしゃげたファズ・ギター、それでいてどこに向かうかわからないロッケンロォォォルぶり!ヘロ・オブ・フライズとかカウズとかアンフェタミン・リプタイル勢を思い出させます。(小林)

ISIS
『Celestial』2001

当レーベルからのリリースはヨーロッパ盤のみで、アメリカ盤はエスケイプ・アーティストから。とにかく彼らの表現力は驚異的で、〈歪み〉や〈暗黒〉なんて言葉では言い表せないほどの危険な匂いを放っている。バンドのスタイルが完全に確立された結果ともいえる本作は、絶望感と凶悪な空気感が深くゆったりと流れるコンセプト・アルバム。その恐怖すら感じる張り詰めた空気感は、まるでドス黒い煙のよう。(斎郷)