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出る杭を打ちたがるメディアの狂騒に、エイコンも困り顔?(from NEW YORK)

アルバムがまたまた大ヒットで、一人勝ち状態に見えたエイコンにケチがついた。4月半ば、トリニダード・トバゴのクラブ〈Zen〉で観客の女性とステージで絡んだ一件が雪だるま式に波紋を呼び、大手携帯会社が彼とグウェン・ステファニーのツアーのスポンサーを降りる騒ぎに。問題は、件の女性が14歳の未成年だったらしいこと。エイコンはヒップホップやダンスホールでありがちなセックスを模したダンスを披露しただけだが、この様子を収めた映像がネットで流れると同時に、まず神父である女性の父親と地元メディアが騒ぎはじめ、これがUSに飛び火して夜のニュース・ショウの格好の話題になってしまったのだ。レゲエ番長から勝手に昇格してカリビアン番長である筆者に言わせてもらうと、これはカルチャー・ギャップが生んだ悲劇。その手のコンサートに行き慣れた人には〈またかい!〉のパフォーマンスも、そこだけ切り取って違う解説がつくと〈未成年を弄ぶ破廉恥ラッパー〉に映る。つーか、14歳の娘をのこのこクラブに行かせておいて、〈父親として耐え難い〉などとTVで騒ぐ神父さんは〈躾〉という言葉を知っているのか、とか、物事を一面的に捉え、嬉々としてエイコンを叩くアメリカのメディアって偽善者、とか、〈恥知らずはどっちよ!〉という話でもある。エイコンは謝罪文を公表したものの、50セント、マリオ、ファボラス、ダディ・ヤンキーの新作にフィーチャーされているし、まずは安泰な模様。今後、コンサートで客席からステージに女性を上げる際、IDをチェックするようになったりして。(池城美菜子)

掲載: 2007年06月25日 13:00

更新: 2007年06月25日 13:16